メルセデスが好発進、ハミルトンがトップタイム。RB勢は下位に沈み角田裕毅19番手|ラスベガスGP FP1
F1第22戦ラスベガスGPのフリー走行1回目は、メルセデスのルイス・ハミルトンがチームメイトのジョージ・ラッセルも0.4秒離すトップタイムを記録した。 【リザルト】F1第22戦ラスベガスGP:フリー走行1回目 2024年のF1も終盤戦。最終戦アブダビGPまでの3連戦の初戦が、このラスベガスGPだ。ラスベガスの目抜き通り”ストリップ”で開催される市街地コースが舞台となる。昨年に初開催された豪華なレースが、今年も開催された。 ナイトレースとして実施されるため、FP1は現地時間18時30分からスタート。すっかり日も暮れて気温14度、路面温度16度というコンディションだ。 セッションがスタートすると、マクラーレンのオスカー・ピアストリを先頭に続々とコースイン。それぞれ、このレースに向けて採用された特別カラーリングをまとって路面コンディションを確認した。 昨年のFP1では排水溝の蓋が外れてカルロス・サインツJr.(フェラーリ)のマシンに大ダメージを与えるという不穏な走り出しとなったが、今季に向けて安全対策は強化されているという。 今回持ち込まれているタイヤは最もやわらかいC3~C5コンパウンドの組み合わせ。各車まずミディアムタイヤで走行をするが、レッドブルの2台だけはソフトタイヤを履いた。路面の汚れや寒いコンディションが影響してか、グリップの低さを訴えるドライバーもおり、路面から巻き上げられた砂か汚れで煙っているように見えるシーンもあった。 そんな状況もあって各車の走り出しは1分44秒台と慎重だったが、時間が経つにつれてペースアップ。セッション開始15分でハミルトンが1分38秒115を記録した。ただ、昨年のポールポジションタイムは1分32秒726であり、まだまだ様子見といった状況だ。 セッション折り返しを前にピットに戻るマシンも多くなっていく。この時点でトップはハミルトンのままだが、タイムは1分36秒927まで縮めた。チームメイトのラッセルが2番手、アルピーヌのピエール・ガスリーが3番手につけた。 セッション後半に入ると、ザウバーやハース、ウイリアムズ勢など続々とソフトタイヤに履き替えてコースイン。普段以上に入念にタイヤを温めた上でプッシュラップをしていった。 フェラーリのシャルル・ルクレールはソフトタイヤでタイム計測をしたが、ハミルトンのタイムには0.085秒届かず2番手。ハースのケビン・マグヌッセンが4番手にジャンプアップするなどタイムシートが入れ替わっていった。 メルセデス勢がミディアムタイヤでの走行を続ける中、ルクレールは再びのアタックで1分36秒430をマーク。そしてそれをチームメイトのカルロス・サインツJr.が1分36秒218で上回り、暫定トップに立った。ただこのタイムはセクター3で他のマシンに詰まりながら出したタイムだ。 セッション残り15分を切ろうかという頃、マクラーレンやレッドブルも新品のソフトタイヤ投入。タイムを更新したルクレールをさらに上回る、1分35秒954のトップタイムをマークしたノリスが代わってタイムシートのトップに名前を刻んだ。 一方、このレースでタイトル4連覇を決める可能性があるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は最初のアタックで6番手に上がったが、2度目のアタックでは自己ベストを刻みながらもさらにポジションを上げることはできなかった。 各車のアタックも落ち着き、ノリスがトップでセッションを終えるかと思われたが、ラッセルがマクラーレンのスリップストリームも使いながら1分35秒619をマーク。ノリスに0.3秒の差をつけてトップに躍り出た。 さらにはハミルトンも残り3分を切ってアタック。1分35秒487を叩き出すが、ラッセルは再びタイム更新しトップを奪う。これにハミルトンは負けじとラストラップで全体ベストを並べ、1分35秒001とラッセルをも0.4秒近く引き離すトップタイムをマークした。 メルセデス勢は他よりもソフトタイヤでのコースインを遅らせ、コースコンディションが良くなったタイミングでアタックしたこともあって、トップ2を独占。ラスベガスGPを最高の形で滑り出した。 3~5番手はマクラーレンのノリス、フェラーリのルクレール、レッドブルのフェルスタッペンの三つ巴となった。 マクラーレンとフェラーリはアゼルバイジャンGPやイタリアGPでの速さからここラスベガスGPでも下馬評が高かったが、その通りのパフォーマンスを見せた。フェルスタッペンは終盤に5番手にポジションアップしたが、ステアリングの接続不良を訴えており、その影響がどこまであったかは未知数だ。 トップ4チームがトップ10に並ぶ中、7番手にアストンマーティンのフェルナンド・アロンソ、9番手にアルピーヌのピエール・ガスリーが食い込んだ。 RBの角田裕毅は19番手。チームメイトのリアム・ローソンも最後尾20番手と不安な立ち上がり。FP2に向けて問題点の修正をしたいところだ。 とはいえ、今後も路面コンディションの改善は続くはず。FP2では各車の勢力図がよりはっきりと見えてくるだろう。