《チグハグ化の懸念も》相撲協会公式カレンダーで「照ノ富士の登場する月」はなぜ変わったか「例年、9月場所の番付で構成するが、引退間近の力士がいると難しい」の苦悩も
カレンダー登場の直前に引退した貴景勝
2024年のカレンダーも前年の9月の秋場所の番付で構成されていた。ひとり横綱の照ノ富士が単独で登場するのは1月だけ。本場所がない2月は三役陣ら9人と、8月は大関陣と4人で一緒に写真に収まっていた。土俵上の結果としては、単独で登場した1月(初場所)こそ優勝したものの、あとは7月(名古屋場所)に優勝した以外の4場所は休場。 2023年9月場所時点での貴景勝、霧島、豊昇龍の3大関は本場所がない今年10月のカレンダーに3人揃って登場していた。しかし、10月になると前年の3大関のうち豊昇龍を除く2人は大関を陥落。貴景勝は直前にあたる9月の秋場所3日目に引退してしまっていた。 カレンダーに登場するタイミングでの番付は予想がつかないため、横綱や大関といった地位の表記はないが、改めて振り返ると現実とカレンダーを符合させることがいかに困難かわかる。
照ノ富士が登場する「タイミング」が変わった
では、今回発売された2025年のカレンダーはどうか。 ・1月 照ノ富士、琴櫻、豊昇龍、大の里(横綱と3大関) ・2月 照ノ富士(横綱土俵入りの写真) ・3月 照ノ富士と琴櫻 ・4月 琴櫻、豊昇龍、大の里の3大関 ・5月 豊昇龍と大の里 ・6月 平戸海、霧島、阿炎、大栄翔(今年9月場所の三役) ・7月 阿炎と霧島 ・8月 平戸海と大栄翔 9月、10月、11月は幕内力士、12月は十両力士の化粧まわし姿という構成になっている。スポーツ紙デスクが言う。 「貴景勝が9月場所中に引退し、大の里が9月場所後に大関に昇進したことが反映されているので、今のところそんなにおかしいことにはなっていない。貴景勝の引退が1場所、後ろにズレていたら、カレンダーに残ってしまっていた。同様に大の里の大関昇進が1場所遅ければ、大関としての扱いになるのは琴櫻と豊昇龍の2人となっていたはず。 そうした事態は避けられたものの、来年1月の初場所でいきなり照ノ富士の引退、あるいは大の里の横綱昇進が決まれば、かなりちぐはぐなカレンダーになる。今年は1月、2月、8月に登場していた照ノ富士が、来年は1月、2月、3月と1年のうちの序盤に登場しているあたりに、カレンダー制作担当の苦労が滲み出ています」 横綱や大関が突然誕生したり、平幕優勝が出たりするのがガチンコ全盛時代。カレンダーがちぐはぐになるほど、大相撲が面白いということなのかもしれない。