映画初主演の平泉成、58歳差の相手役は「素敵だった。泣いた顔なんて最高ですよね」
「あの若さですごいな、と」
平泉さんの相手役となる若手カメラマン役は、今年5月15日にCDデビューを果たしたばかりのAぇ! group佐野晶哉さんで、現在22歳。平泉さんとの年齢差は58歳だ。 ーー作中では、ベテランカメラマンが若者に道を示すという役割もありましたが、現場でも平泉さんが佐野さんにアドバイスすることはありましたか? 「一切ありません。佐野くんはとても豊かな感性の持ち主で、新進気鋭のカメラマン・五十嵐太一役を見事に演じきっていました。台本でもそうであったように、友達のようないい関係で一緒の仕事を通じ、お互いが成長するみたいな役柄ですので、何かをアドバイスみたいなことはなかったです」 ーーお互いにリスペクトし合いながら演じたのですね。 「そう思います。佐野くんは静かで誠実で、礼儀正しくて、ステキですよね。僕はいつもいろんなドラマで“受け手の芝居”をするんですけど、今回の芝居は僕のペースの芝居をしっかり受けとめてくれるんです。あの若さですごいな、と感心させられましたね」 ーー年齢差を感じさせないくらいの安心感があったんですね。 「すばらしかったですね。チャーミングだしね。彼の泣いた顔なんか最高ですよね。ステキだったなあ。あれは、佐野くんじゃなきゃ出せない味だろうしね……と、この映画を若い人も楽しんで観てくれたら、いいなと思うけどね」 包み込むような、優しい視線を若い共演者に向ける平泉さん。60年間、第一線で活躍し続けた証となるあたたかな人柄が、そこにはにじみ出ていた。 ひらいずみ・せい 1944年6月2日生まれ、愛知県岡崎市出身。高校卒業後、ホテルに就職。大映フレッシュフェイスに応募、1964年第4期ニューフェイスに選ばれる。その後、大映作品に出演、1966年『酔いどれ博士』で映画デビュー。1971年の大映倒産とともに活動の場をテレビドラマに移行。1984年から現在の芸名“平泉成“に改名。以降、作中で存在感を放つバイプレイヤーとして名を馳せる。その特徴的な声と唯一無二の人間味が、多くの人にものまねされることになり、世代を超えて支持されている。 有山千春
有山千春