「災害前と同じ状態に戻った」熱海土石流で専門家が港を調査 地元の漁師は…港の中にまだ課題=静岡
静岡放送
約3年前、静岡県熱海市で発生した土石流災害をめぐり、専門家は土砂が流れ込んだ地元の港に関する調査結果を発表し「港は災害前と同じ状態に戻った」としました。ただ、地元の漁師は、港の中については、まだ回復に至っていないと語ります。 【写真を見る】「災害前と同じ状態に戻った」熱海土石流で専門家が港を調査 地元の漁師は…港の中にまだ課題=静岡 2021年7月3日に発生した静岡県熱海市の土石流災害では、28人もの犠牲者を出しました。 地元の伊豆山港にも土砂が流れ込み、漁業に影響を及ぼしました。 被災地の調査をしてきた静岡大学の北村晃寿教授は2024年6月5日、調査結果を発表しました。 <静岡大学防災総合センター 北村晃寿センター長> 「とにかく海底の状況が元通りに戻ったことによって、本来の伊豆山の堆積物、それから海底に住んでいる生物が元通りになった」 調査結果によりますと、発災当時、港には土砂が流れ込み、濁りが発生しましたが、2023年10月までに泥は流され、土石流災害以前の状態に戻ったと考えられるということです。 伊豆山港の漁師、松本早人さんです。調査結果が示すように港の外は被災前に戻ったといいますが、港の中は、まだ元通りになったとは言い切れないと話します。 <伊豆山漁業会 松本早人代表> 「港の外は比較的、災害の前と同じような状態になってきたと思うんですけど、港の中とか、港の入り口付近、川の河口付近は、まだ災害の泥がいまだに残ってる状態ですね」 港の中の泥は、船のスクリューで巻き上げられ、海水が濁ります。 <伊豆山漁業会 松本早人代表> 「生かしてあるカゴですけど、いまだに泥がついちゃってる。県の方で(工事で)泥はとってもらって良くなったんですけど、いまだに細かい泥は残ってて、波が立ったりすると、かき混ざって、こういう状態のカゴに泥がついちゃったり、泥が魚とか貝に入っちゃうとよくないと思うんで」 伊豆山港全体が復旧するときは、いつになるのでしょうか。 <伊豆山漁業会 松本早人代表> 「港の中や港の入り口に(自然の)砂が戻ってきて、災害前の港の透明度が戻ってきたときが「災害前」という風に自分は思っている」
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