「知事給与」「パーティー」「朝鮮人追悼」 小池・田母神氏、蓮舫・石丸氏で割れる傾向
小池氏は関東大震災(大正12年)で亡くなった人々を悼む都慰霊協会主催の大法要に追悼の辞を寄せる一方、震災時に起きた朝鮮人虐殺の犠牲者を追悼する式典への追悼文を送ることを断っている。
小池氏は式典出席についての考え方を問われると、「関東大震災で多くの災害、混乱もあった。そこで亡くなった慰霊は大法要で行っている。その場で慰霊することを都知事として進めた8年だった」と振り返った。
田母神氏は「参列する意思はない」と明言し、「日韓関係を考えれば、『日本悪玉論』に拍車をかけるだけだ。日本は頭を下げれば向こうも少し譲るだろうとの思いで、この何十年やってきた。こっちが下がったら向こうは出てくるだけで、とても良くならなかった」と述べ、小池氏の姿勢を評価した。
一方、蓮舫氏は「震災で救われた命が人災で失われた痛ましい歴史だ。追悼文を出さない姿勢を東京都のトップが持った場合、歴史修正主義と見られるリスクがある。私は追悼文を出す」と強調した。
◆石丸氏「行政組織も歴史認識を」
石丸氏も式典に出席するかの考えについて「ある」と即答し、「行政の組織として歴史認識を持ち、意思を示すのは必要なやり取りだ。むしろなぜ厭うのか疑問を感じる」と述べ、「日韓関係もやはり融和の姿勢が互いに必要な時もある」と強調した。
蓮舫氏が小池氏にライバル心をのぞかせる場面もあった。
蓮舫氏は共産党を含めて支援を受けている枠組みのあり方について問われ、「今はもう無所属になった。1人でも多くの都民に支援をいただきたいという立場だ。その意味で支援者を排除することはしない」と語った。
「排除」を巡っては小池氏が平成29年に希望の党を結党した際、安全保障観の異なる議員について「排除する」と発言し、党勢が急失速した経緯がある。小池氏は表情を変えることなく、蓮舫氏の発言に耳を傾けていた。(奥原慎平)