『おむすび』高松咲希が金髪に豹変! 少女期の歩役への起用理由を演出家が明かす
NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。 【写真】ギャルになる直前の少女時代の歩(高松咲希) 第4週、第5週では結がまだ6歳だった頃の神戸編が描かれ、結、歩、そして友人の真紀を演じる子役キャストが登場した。 結役の磯村アメリは、現在TBS系火曜ドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』に主人公・佐藤ほこ美(奈緒)の姪役で出演中。 また、真紀を演じる大島美優は少女漫画雑誌『ちゃお』の専属モデル・ちゃおガールとしても活躍しており、TBS系日曜劇場『マイファミリー』では二宮和也、多部未華子演じる主人公夫婦の娘役で注目を浴びた。 そして、歩を演じるのは高松咲希。第5週の演出を担う松木健祐は「オーディションをして、書類選考、演技の一次選考、二次選考を経て高松さんに決定しました。子役の歩には、普通の中学生としての無邪気さ、友達を失う喪失感、ギャルとしての強さ、全てが求められる役でした。それらを、今の年齢の高松さんが持ち合わせていると感じ、皆で決めました」と起用理由を明かす。 「第4週に関しては、『日常なのでとにかく明るくやってください』『真紀ちゃんを見たときの表情を大切にしてください』とお願いしました。ふたりはたくさん冗談を言い合うわけではないけれど、目があったら笑い合う。そんな空気感を見事に演じてくれたと思います」 第22話、真紀が地震によって命を落としたことが明らかになり、以降、歩は誰に対しても心を閉ざしてしまう。実は、震災直後の芝居について細かい演出はつけておらず、役者本人に任せていた部分が大きいと松木は語る。 「助監督と一緒に『米田家がどういった被災をしたのか』『どういう時間経過をしたのか』という資料を作りまして。高松さんに限らず、米田家のキャストのみなさんには事前にそれを読んでいただいて、あの場に立ってもらいました」 第24話では突如金髪姿となり、イメージが一変。松木は「『私はこれで生きていくんだ』と決心を固めて来てほしい、と。当然、父母から何か言われるかもしれないけれど、何を言われても絶対にやめない、という強い覚悟でこの場に来てもらいたいと頼みました」と撮影前のやり取りを振り返る。 さらに、「高松さんは第6週にも出てきますし、歩に関してこれまで描かれてこなかった部分がより深く描かれますので、ぜひ期待していただければ」と予告。制作統括の宇佐川隆史も「結が見た歩の姿、そして歩自身が何を感じていたのか。それぞれの視点を大切に、『実はこうだった』といったことも含めていろいろと展開していきますので、ご期待ください」と呼びかけた。 なお、神戸編にはキムラ緑子、ミルクボーイの内海崇、新納慎也など、兵庫県出身の俳優を起用。避難所で過ごす結におむすびを渡す女性役には、神戸で実際に震災を経験した女優・安藤千代子を抜擢した。 安藤は神戸市で震災の語り部としても活動中。撮影序盤、取材対象者として彼女に出会ったという松木は「安藤さんはいろいろなご経験をされていながらも、すごく前向きで、震災をきっかけに『このような日常が続くかわからないのだから、やれることをやっておこう』というマインドをお持ちになった方。演劇活動や声優活動を30代後半から始められたと聞いて、とても素敵だなと思いました」と印象を述べる。 「のちに脚本ができてキャスティングを考えたとき、安藤さんの人柄を思い出したんです。取材でお会いしたというご縁も感じて、ここは思い切って安藤さんにお願いしてみようかと。安藤さんはとても驚かれながらも、脚本を読んで『当時のことを思い出して泣けてきます』とおっしゃっていて。その気持ちを大切にして演じてくださいとお話ししました」 結にとって、将来を変えるきっかけになる名場面。安藤が届けた“本物の思い”は、きっと多くの視聴者の胸に響いたことだろう。
nakamura omame