菊池雄星とマリナーズ合意は7年総額120億円の超大型契約
西武からポスティングシステムでメジャー移籍を目指していた菊池雄星投手(27)が、マリナーズと米国時間2日午後5時に設定されていた交渉期限前ギリギリに最大7年の変則契約で合意。この日までに、その金額が7年で総額約120億円の大型契約であることが明らかになった。今回のマリナーズとの契約合意をスクープしたジョン・ヘイマン記者がツイッターで追伸したもので、通常契約となる最初の3年間は、総額4300万ドル(約47億3000万円円)で、4年目にあたる2022年は菊池側に契約延長のオプションがあり、その場合は1年、1400万ドル(約15億4000万円)になるという。 また最初の3年契約の終了時点で、球団側には4年の契約延長オプションがあり、それが行使された場合は、4年総額6600万ドル(約72億6000万円)となる。 最大7年の変則契約だが、それがすべて行使された場合は、総額7年1億900万ドル(約120億円)の契約になるというのだ。 菊池が最初の3年で、どこまで活躍するかで、その後の契約の行方が変わってくるが、敏腕代理人であるスコット・ボラス氏は、かなりの好条件を引き出したことになる。 ちなみに2014年にポスティングで楽天からヤンキースに移籍した田中将大は、4年終了時点での契約見直しでFAとなれる条項を含んだ7年契約で、総額は1億5500万ドル(約170億円)だった。 当初、メジャー各球団の菊池への評価は真っ二つに分かれていた。肩、肘などの故障を繰り返しイニング数が少なかったことなどがネックになり、昨年の段階で、米国のストーブ情報サイトの「「MLB TRADE RUMORS」は、6年総額4200万ドル(約46億円)と低く見積もっていた。だが、一方で、データ分析に定評のある「FANGRAPHS 」は、4年総額5200万ドル(約57億円)とも予想していた。 今回は、それをも上回る契約を引き出したことになるが、フォーシームとスライダーに加えて、カーブ、チェンジアップなどの変化球の精度が高く、しっかりと緩急をつけることができる菊池のピッチングが、先発ローテーの2、3番手は十分にキープできると評価されたようだ。 昨年までは岩隈久志が所属するなど、日本の投手の特性について熟知しているマリナーズの経営陣らしい判断だったのかもしれない。 また4年契約にこだわった理由は、昨年オフから高額なベテラン選手を次々と放出して大胆なチーム再建に取り組んでいるマリナーズが2020、2021年をターゲットに優勝を狙うチームにしたいという中期計画を練っていることと関わっている。 メジャーの公式サイトも「マリナーズのジェリー・ディポトGMは2020、2021年での優勝を目指して、若く期待できる選手でロースターを固める一方、このオフシーズンに傑出したベテラン選手の多くを放出した。だがGMは、将来に起こすチームの波に菊池を加えるため、彼との契約に強い興味を示してきた。今オフにトレードで加わった多くの若く期待できる選手に加えて、オールスター右翼手のミッチ・ハニガー、新加入のマレックス・スミス、左腕先発のマルコ・ゴンザレスらチームに残った選手と、同年代の菊池を再建を目指す新たな核の1人として見ている」と菊池との契約理由を分析していた。 またマリナーズは、今年の3月20、21日に東京ドームでアスレチックスと開幕戦を行い、イチローの支配下登録復帰が確実視されているが、その2試合での菊池の先発を予想する声が早くも出ている。 数々のスクープを飛ばしているジョン・モロシ記者もツイッターで「マリナーズは、2019年シーズンを東京ドームで開幕するが、その第1戦か第2戦で菊池雄星を登板させるだろう。そしてイチローは、そこで殿堂入りのキャリアを終える」と予想している。 日本での開幕戦を意識しての契約ではなかったのだろうが、そうなれば菊池にとっても話題性十分のスタートを切れることになる。