広島の2軍でもがく栗原、東出の復活ロード
本人に話を聞いたが「もう一度、一軍の打席に立ちたい」と、野球への情熱は、一向に失っていなかった。だが、まずは、練習で形を見せ、ファームの打席で、結果に変えていかなければ、1軍復帰は、とうてい見えてこない。栗原のポジションでは、8年ぶりにチームに戻ってきた38歳の新井が大活躍していて球宴にはファン投票1位で選ばれた。左の大砲として、シーズン途中に獲得したシアーホルツも、6本塁打、打率.277と、そこそこの数字を残していて、一軍に栗原が帰る場所がないのことも確かだ。 それでも一発長打の魅力を兼ね備えた打者は、球界を見渡しても、そうそうはいない。栗原が、輝きを取り戻せば、緒方監督も戦力として欲しいに違いないが、栗原の復活ロードには、まだ光は差し込んでいない。 もう一人、話をしておきたかったのが、プロ入り15年目となる廣瀬純(36)だったが、居残っての故障リハビリ中で、ファームのメンバーにも彼の顔がなかった。彼も、15打席連続出塁の日本記録を作るなど、代役4番を務めたことさえあるスラッガーだったが、昨年途中から1軍のベンチには入っていない。 崖っぷちに立たされた男たちの復活は、簡単なものではないが、華やかな舞台の裏にもうひとつの復活ロードが進行中であることを忘れないでおこうと思う。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)