ハリス氏、敗北認める 「暗黒時代ではないことを願う」とも強調
米民主党のハリス副大統領は6日、首都ワシントンのハワード大で、前日に投開票された大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利を確実にしたことを受けて演説した。「選挙の結果は我々が望んでいたものではなかったが、結果は受け入れなければならない」と述べて敗北を認めた。また、トランプ氏に「平和的な政権移行に取り組む」と伝えたことを明らかにした。 【写真まとめ】敗北認める ハリス氏の表情 ハリス氏は支援者らに謝意を伝えた上で、「皆さんがさまざまな感情を抱いていることは理解している」と説明。この日にトランプ氏に電話で祝意を伝えたとし、「米国の民主主義の原則は選挙で負けた時には結果を受け入れることだ」と呼びかけた。 一方で、「我々は大統領や政党ではなく、米国の憲法に忠誠を誓う義務がある。選挙で負けたことは認めるが、自由、機会、公平性、全ての人々の尊厳、国家の中心にある理想を巡る闘いは諦めない」と強調。具体的には、人工妊娠中絶など女性が自身の体について決定する自由のほか、銃規制などを挙げ、「闘いには時間がかかることがある。諦めないことが重要だ」と述べた。 その上で、「私は多くの人が暗黒の時代に突入しつつあると感じていることは理解しているが、そうではないことを願っている。もしそうであれば、楽観主義、信念、真実、奉仕という光で空を満たそう」と訴えた。 支持者たちは落胆と不安を隠さない。ハリス氏の母校で米国屈指の黒人大学であるハワード大に通う大学生、マッケンジー・ライトさん(21)は「黒人女性の大統領が誕生すると本気で思っていた。将来に変化が起きることを期待したいが、今の状況では良い兆しは見えない。希望は消えつつある」と話した。 ハリス氏のTシャツを着たゴードン・ジョンソンさん(71)は「一方の(共和)党は感情に訴えかけ、もう一方は双方の立場を理解しようとした。だまされた有権者を責めることはできない」と語り、次の4年への不安を口にした。「政敵を追い詰めるために政府を利用しようとするトランプ氏の脅しは非常に不穏だ。裁判所と議会が阻止することを願う」【ワシントン八田浩輔、松井聡】