派遣先から「正社員にならないか」と言われました!派遣元の「許可なく」受けてもいいですか?
派遣社員として働いていて、派遣先の会社から正社員になるようにと打診された場合は「能力を評価された」と考えられるため、喜ばしいことといえるでしょう。しかし、派遣元である派遣会社の許可なく、正社員登用の話を受けても問題ないのでしょうか。 本記事では「派遣社員から派遣先の正社員になることはできるのか」ということについて、派遣と直接雇用の違いも含めて、詳しくご紹介します。
派遣と直接雇用の違いとは?
派遣と直接雇用の違いで、最も重要なのは「誰が雇用主か」ということです。まず、直接雇用の場合は勤務先が雇用主になるため、勤務先である会社が仕事上の指揮命令権を持ち、賃金を支払います。 一方、派遣の場合は、雇用主は派遣会社です。労働契約を結んでいるのは派遣会社であり、給与の支払いも派遣会社が行いますが、仕事上の指揮命令権を持つのは勤務先の会社ということになります。福利厚生なども、派遣会社との契約により適用されます。
派遣期間を経た「紹介予定派遣」ならば問題はない
派遣社員は、立場上、派遣契約が満了になっていない状態で派遣先の正社員になることはできません。しかし「紹介予定派遣」という契約方法であれば、正社員への登用が検討される可能性があります。 「紹介予定派遣」は最大6ヶ月間、派遣社員として働いた後に、正社員として直接雇用してもらえるかの審査を受けられるというものです。派遣先を選ぶ段階から直接雇用への移行を前提としているため、派遣元の許可を得ることなどの必要性については考えなくてよいでしょう。
派遣契約が満了になっている場合は?
紹介予定派遣を利用していなくても、派遣契約が満了になっていれば、派遣会社へ契約更新しない旨を伝えることで、派遣先で正社員になっても問題はありません。 労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)第三十三条によると「派遣契約満了後に派遣社員と派遣先の会社が雇用契約を結ぶことを、派遣会社が禁止することはできない」としています。 つまり、派遣契約が満了になった後で、派遣社員が派遣先に直接雇用されることになっても、なんの問題もないということです。