ヘンリー王子、戦死したアメフト選手を称えて設立された賞を受賞 選手の母が抗議「もっとふさわしい人がいる」
ヘンリー王子がスポーツ界のアカデミー賞といわれるESPN賞のパット・ティルマン賞を受賞することが明らかになった。この受賞にティルマンの母が異論を唱えている。 【写真】ヘンリー王子の人生いろいろアルバム。赤ちゃん時代からナイスミドルまで
王子が受賞したパット・ティルマン賞とは、アメリカンフットボールのパット・ティルマン選手(写真)を称えて設立された賞。彼はNFL選手として活躍していたが、アメリカ同時多発テロを受けて入隊。アフガニスタンに派遣され2004年に戦死した。27歳だった。現役のアメフト選手が戦死するのは史上2人目で、1970年にベトナム戦争でボブ・カルス選手が亡くなって以来のことだった。ESPN賞は「ティルマンの意志を受け継ぐ形で他者に貢献した、スポーツと強いつながりを持つ人物」に授けるとしている。
先月末、今年のパット・ティルマン賞がヘンリー王子に授与されることが発表された。ESPNは王子がチャリティスポーツイベント、インビクタスを通じて退役軍人のコミュニティに貢献したことを称えたと発表している。しかしティルマンの母、メアリー・ティルマン(写真)はこの決定に納得できないよう。新聞「デイリーメール」のインタビューでESPYの人選を批判している。
メアリーは「物議を醸し賛否両論を招く、このような人物をどうして選んだのかと私はショックを受けている」とコメント。「もっとふさわしい受賞者がいる。退役軍人のコミュニティで引退した軍人たちを支援するために素晴らしい活動をしている人々がいる。そういう人たちは王子のようなお金も資源もコネも特権も持っていない。私はそのような個人が評価されるべきだと感じている」。メアリーはこれまでも今回も受賞者の選定には関わっていない。
王子はメアリーの批判に対して何もコメントしていない。ESPNは雑誌『ピープル』に対して「ティルマン財団の支援のもと、我々はインビクタスの活動について王子を表彰する。インビクタスは世界中の軍人と退役軍人のためにスポーツの力による癒しを後押しし、今年で10周年を迎える。どのような賞であれ、選ばれたすべての受賞者に誰もが賛同するわけではないことは理解している」と声明を出している。「インビクタスは素晴らしい活動をしている。ESPNは称えるに値すると考えている」。