【ハイライト動画あり】『1ラウンドKO』の合言葉を実行したブルーレヴズが雨中戦を熱く制す。
TMOでの判定を経てトライはキャンセルされるも、直前の相手反則で得たPGをSOサム・グリーンが決める。 ハーフタイムを16-3のスコアで迎えた。
後半も、ブルーレヴズの奪ったトライは1つだけだった。 それでも点差以上の完勝と感じられたのは、全員の前へ出る姿勢が最後まで相手を上回っていたからだ。後半17分にはTMOでキャンセルとされるも、自陣22メートルライン付近で得たPKからパスをつなぎ、攻め切ったシーンもあった。
藤井監督は、「前半をしっかり攻撃し、後半につなぐプランでした。天候の悪い中でも、関係なく、しっかり攻めた。雨でもミスを恐れずに戦ってくれた結果」と話して選手たちの遂行力を評価した。 ゲームキャプテンを務めたFL庄司拓馬も、全員がアタックマインドを持ち続けたことを勝因に挙げた。
敗れたヴェルブリッツの姫野和樹主将は、雨中でのプレーの精度で相手の方が上だったと認めた。結果、ブルーレヴズの勢いを受けた。 反則数も相手の9に対し16。「練習の中で意識を高めていく必要がある。キャプテンとしてそこにアプローチしていく」と覚悟を口にした。
雨の中集まった5074人のファンがどよめいたシーンがあった。 後半8分過ぎだった。ブルーレブズ陣内で、相手ボールのラインアウト。投げ入れられたボールが後方に抜けた。そのボールを受けたHO日野剛志はすぐにキックした。
蹴られたボールがヴェルブリッツ陣22メートルラインを越えて転がり、外に出た。 50/22メートルキックでブルーレヴズボールのラインアウトとなり、直後の攻撃を継続。7フェーズを重ねてトライを挙げた。
試合後、34歳のベテランHOは「抜けてくるボールを取ることがよくあるので、普段からキックを練習いたんですよ」と相好を崩した。 「みんな褒められました」 キッキングコーチに、との声も出たと愉快に話した。
チームは3連敗後の2連勝。明るい空気が伝わってくる。順位も7位に上がり、6位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイとの勝ち点差は2となった。 ヴェルブリッツは8位に(勝ち点はブルーレヴズと同じ24)。トップ4入りへの道は険しい。
田村一博