仲間と演じる喜び実感 高校演劇合同発表会4校で開催へ【長野県飯田市】
飯伊地区高校演劇連盟は第74回合同発表会を14日、長野県飯田市鼎文化センターで開く。少子化による生徒減、長かったコロナ禍の影響で各校とも部員の減少傾向が続くが、存続の危機にあった2校が勧誘に成功し、飯田女子と飯田、飯田風越、下伊那農業の4校で開けることになった。 昨年度の飯田風越と下伊那農業は部員がそれぞれ1人だったが、努力のかいあって風越は5人(現在は4人)、下伊那農業は2人に増え、合同発表会には共にオリジナル作品で臨む。 このうち風越は、産休代替補助教員で副顧問の木村哲さんが書き下ろした青春ファンタジー「学校ごっこ」を3年生と1年生の3人で演じ、1人が照明を担当する。 昨年度は自作の一人芝居を演じながら部を守ってきた3年生の生徒は、新入生向けの発表に力を入れた結果、演じることに意欲的な後輩ができた。 部は同好会に格下げになったものの活気が戻り、学年や経験の垣根を越えて積極的に意見交換をしながら、演技に磨きをかけている。 1年生は「せりふを覚えるのが大変だけれど、うまく演じられると充実感が得られるのがいい」「演じている時の『別の自分』になったような錯覚が楽しい」とやりがいを口にする。 生徒は本来なら引退している時期だが、後輩は全員男子で、女生徒役を演じられる同好会員がほかにいないため、発表会への出演を決めた。 「学校ごっこ」の舞台は「学校が完全オンライン化している」という設定の2050年代。30年前(現代)の高校生活を体験できるネット上の仮想空間にログインした男女3人が、2020年代の「当たり前」に驚きながら、印象的なやりとりを繰り広げる。 最後の公演に臨む生徒は「1年生が演劇の楽しさを知ってくれて、勧誘して本当に良かった。校内でも見てもらう機会をもっとつくり、さらに仲間を増やせたら」と話した。 開場は午前9時45分。飯田女子(同10時15分)、飯田(同11時25分)、飯田風越(午後1時半)、下伊那農(同2時40分)の順に出演する。