所有者不在のまま長年空き家に 隣接する市道に崩れてくる恐れ 市が解体代執行 解体費は２４８万円、国・県が６割を補助
島根県大田市が１９日、空き家対策特別措置法に基づき、同市久手町の空き家の解体を始めた。所有者が不在で隣接する市道に崩れてくる可能性が出てきたため、市が解体の必要があると判断した。大田市では初めて。 【総務省調査】空き家 過去最多９００万戸 島根５．４万、鳥取４．１万 倒壊や治安悪化恐れ
対象は木造平屋建ての建物（延べ床面積９７平方メートル）で、登記上は未登記。使っていた農事組合法人が１９４８年に解散し、手続きを担った清算人も既に亡くなっている。所有者不在のまま長年空き家になっており、屋根が抜け落ち、市道への倒壊の恐れがあった。 市は２０１９年に市民の相談を受け、現地調査などを実施した上で、略式代執行に踏み切った。 １９日は市建設部の尾畑哲格部長が現地で代執行を宣言した後、市が委託した解体業者が作業に入った。解体費は２４８万円で、国・県が６割を補助し、大田市は９４万円を負担する。市建築営繕課の中村和也課長は「略式代執行は最後の最後の手段。建物所有者には適切な管理をお願いしたい」と話した。
