年の瀬にもう一度噛み締めたい!! プロ野球&MLB「2024衝撃名場面」プレイバック
実はお股ニキ氏、オープン戦での登板を見て、「セット時のグラブ位置、握りには注意が必要」と『週刊プレイボーイ』本誌で警鐘を鳴らしていたが、その指摘がまさに現実となってしまった。 「『投手史上最高額の契約を結んだ男がいきなり炎上!?』と不安視する声もありました。ただ、山本は修正力も抜群です。癖が出にくい握り方、グラブの位置や角度を修正しつつ、元のフォームで投げる方法を習得しました」 本来の実力を存分に発揮した試合が6月8日のヤンキース戦。7回2安打無失点の圧巻投球を見せた。 「実はこの頃から左手の使い方を少し変え、球速も球威も上がり、私が提唱するスラッターもより効果的に投げられるようになりました。しかし、フォームを変え、出力を上げた代償として、右肩を痛めてしまいました」 それでも復帰後はポストシーズンで活躍。パドレスとの地区シリーズではダルビッシュ有との投げ合いを制した。 「同地区ライバルとして徹底研究されているため、山本のスプリットをパドレスが見抜いていたのは明らかでした。しかし、山本はそれを逆手に取ってストレートで押して5回無失点。デビュー戦でKOされた因縁の相手にリベンジしました。 ダルビッシュも7回途中2失点の好投で意地を見せましたが、負け投手に。日米通算200勝を果たした節目のシーズンでしたが、最後はドジャースの前に屈しました」 ■MLB新人投手編 山本以上に存在感を示したルーキーといえば、カブスの今永昇太だ。今季の新人投手ではただひとり、規定投球回に達して15勝3敗&防御率2.91という好成績を残した。 「高めのストレート、チェンジアップが威力を発揮。オープン戦終盤に打ち込まれたことを踏まえ、開幕直前に微調整し、低いアングルから高めに投げるスタイルを徹底することで打者を翻弄。研究熱心さ、対応能力の高さも光りました」 結果的に大谷も果たせなかった1年目でのオールMLBセカンドチーム入り。そんな今永を抑え、ナ・リーグ新人王に輝いたのはパイレーツのポール・スキーンズ。実は大谷とも縁のある投手だ。 「昨季のMLBドラフト全体1位で入団した規格外のゴールデンルーキー。大谷に憧れていたらしく、15歳だった2018年には、エンゼルス時代の大谷の本拠地投手デビュー戦を生観戦したそうです」 ルーキーイヤーの今季は最速164キロを計測し、11勝3敗&防御率1.96と圧巻の成績。ドジャース時代の野茂英雄以来となる「新人でのオールスター先発投手」も務めた。 「佐々木朗希の1歳下ですが、現時点で実力はスキーンズのほうが上。今後、日本人投手がサイ・ヤング賞を狙う上で最大のライバルと言えます」