とにかく明るい安村さんも復活PR「鳥取・三朝温泉」旅館従業員らが“花火師免許”取得し夏の祭典実施
兵庫県に隣接し、神戸からの旅先としても人気の鳥取・三朝温泉。鳥取県の中央部に位置する歴史ある温泉地です。高濃度のラドン含有量を誇る世界屈指の放射能泉が心と体を癒すとして「三たび朝を迎えると元気になる」と言われ、国内外から年間約25万人の入湯客が訪れます(※1)。 【写真】激レア!三朝温泉でしか見られない「安心してください!穿いてますよ!」河原風呂入浴バージョン 湯治の場としても名高い三朝温泉ですが、昨年2023年8月の台風7号では、三徳川のほとりに造られた名物の露天風呂「河原風呂」が川の増水で水没するなど、さまざまな被害を受けました。 河原風呂はその後2~3週間で復旧作業を終えて無事に再開しましたが、懸念されたのが風評被害です。そこで鳥取県は、県の温泉の復興や魅力をPRしようとタレントの“とにかく明るい安村”さんにアンバサダーの任を委嘱しました。 安村さんの「温泉はいれますよ!」アンバサダーへの就任について、旅館「万翆楼」の支配人で三朝温泉旅館協同組合の森田純一さんは、「当時は一刻も早く復旧し、お客様に三朝温泉を訪れて“安心して”楽しんでいただきたい気持ちでした。その思いを伝えるために、とにかく明るい安村さんを起用しました」と、人選の意図を説明しました。 鳥取県は復興のキャッチコピーとして、安村さんが世界を沸かせたネタ「安心してください! 穿いてますよ!」をもじって「安心してください! はいれますよ!」を掲げました。そして2023年9月には、委嘱式と併せた復興イベントに安村さんを招き、「安心してください!温泉、入れますよ」として、マイナスイメージを払拭する大々的なPRを行いました。 その甲斐あって現在は観光客が増え、美しい温泉街の風景とともに賑わいが戻ってきているといいます。 台風被害から復活し、安村さんも入浴した河原風呂は三朝温泉の財産の一つです。誰でも24時間無料で入ることができますが、「その名の通り河原にある混浴の露天風呂ですので、どこからでも見えてしまいます」と森田さん。初めての人は困惑してしまいそうです。 森田さんいわく「初めての方はかなり勇気が必要だと思います。ただ、開放感は抜群です! 若い方が、入浴しているのはなかなか見かけませんが、地元のお年寄りが入っていますね。三朝温泉の象徴といえますから、ぜひ入ってみてほしいです」とのこと。それでもなかなか勇気が出ないという人には、河原風呂に併設された足湯がおすすめだそう。 そんな三朝温泉は、各旅館が地下源泉を保有しているのが特長です。旅館ごとに雰囲気にこだわった内湯や露天風呂、噴出する温泉の蒸気を吸う蒸気風呂など、趣向を凝らしていることが魅力につながっているようです。また、のどぐろ、かに、モサ海老、鳥取和牛などの豊富な山海の幸が、懐石料理や石焼など素材の味を引き出す料理として提供されるのも、観光客を呼んでいる要因と見られます。 森田さんによると、最近は円安の影響を受けて海外からのインバウンド客も増えているとのこと。そこで、今後の集客増に向けた新たな策の一つとして同温泉旅館協同組合が取り組んでいるのが、夏の打ち上げ花火です。しかも打ち上げるのは花火師ではなく、地元の各旅館のスタッフと地域に住む人たち。自ら打ち上げるために、それぞれが花火師の免許を取るという気合の入れようです。今年は7月29日(月)から、のべ15日間打ち上げられる予定です。 森田さんは、「日帰り入浴も可能ですが、ぜひ旅館に泊まって、おいしい料理と温泉をゆっくり楽しんでほしい。都会の喧騒を逃れて心の疲れをとってほしい」と話しました。 ※1 鳥取県観光戦略課、調査/集計:統計課「令和4年観光客入込動態調査結果」(2023年8月8日発表) ※ラジオ関西『歌声は風にのって』2024年7月8日放送回より
ラジオ関西