「文系理系の違い」によって「生涯年収」にはどれだけの差がつく? 息子にはなるべく将来稼げる学部に進ませたいです……。
進学先の学部選びの基準として、就職してから退職までの間に手にする「生涯年収」を考慮する人は多いのではないでしょうか。もちろん自分のやりたいことを基準にするのも大切ですが、これから先、数十年にわたって働き続けるのであれば生涯年収も重視したいところです。そこで本記事では、文系出身者と理系出身者の生涯年収を比較します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
生涯年収では4000万円ほど理系出身者が高所得
同志社大学社会学部教授・浦坂純子氏らが、大卒以上の学歴を持つ就業者1600人(男性約8割、理系出身者約4割)を対象に実施した調査によると、文系出身者の平均年収は583万円、理系出身者は681万円と明らかにされています。この数字を勤続年数40年と仮定して生涯年収に変換してみると、文系出身者の場合は2億3320万円、理系出身者の場合は2億7240万円です。 平均年収ではおおよそ100万円、生涯年収ではおおよそ4000万円ほど、理系出身者が文系出身者を上回っています。もちろんこの数字はあくまでも目安のひとつにしかすぎませんが、一般的には文系出身者より理系出身者のほうが収入面で優位な傾向にあるようです。
理系と文系でなぜ差が生まれる?
理系出身者と文系出身者で、なぜ4000万円もの生涯年収の差が生まれるのでしょうか。理系出身者が高所得なのには、次のような要因が挙げられます。 ・専門性が高いため エンジニア職や研究開発職に代表されるように、理系の職種には高度な専門知識・スキルを求められるものが多く見られます。そのような知識・スキルを持つ人材は限られており、人材としての市場価値がおのずと高くなることが、高収入を得やすい要因のひとつです。 ・IT人材の需要が高まっている 理系との関わりが深いIT分野が、目覚ましい成長を遂げていることも大きな要因です。新しい技術を使った製品やサービスが次々と登場していることからも分かるとおり、幅広い業界と企業でIT化が進められています。このような背景から、IT分野の知識に精通した理系出身者の需要が高まっています。