ハロウィンで用済みのカボチャ、処分に困った1万個が一転「奪い合い」に? 悩む農業学校に偶然現れた「救世主」 見つかった”おいしい”解決法
ハロウィン用の観賞用カボチャを栽培している長野県原村の八ケ岳中央農業実践大学校はハロウィンのイベントが終わったこの時期、観賞用のカボチャの処分に困ってきた。首都圏の商業施設などで展示するカボチャは通常のカボチャよりも大きい上に食用には向かず、肥料として土に戻してきたが、今年は新たな提供先が見つかった。カボチャはいったいどこに―。 【写真】八ケ岳中央農業実践大学校からもらったハロウィン用のカボチャを食べるカピバラ
毎年1万個栽培、展示後どう処分するか…
大学校では敷地内にある約2ヘクタールの畑で毎年計1万個の観賞用カボチャを栽培し、一部を首都圏の商業施設などで展示。ハロウィン後のこの時期になると、役割を終えたカボチャをどう処分するか苦慮してきたという。
食用に向かず、捨てるのももったいなくて
大学校のスタッフ、土井香奈さんは観賞用カボチャを有効活用しようと、これまでスープにしたり、煮込んだりして調理してみたものの「水分が多すぎて食用には向かない。肥料として畑に戻すしかなく、もったいないと感じていた」と話す。
「どうぶつ王国」に相談
だが、今年は偶然に提供先が見つかった。土井さんが今月、家族で訪れた茅野市・立科町境にある池の平ファミリーランドの観光施設「わくわくどうぶつ王国」。そこにいた動物たちを見て施設に相談したところ「雑食の動物なら食べられる」と受け入れてくれることになった。
奪い合いの「おやつ」に
6日、大学校は約100個を観光施設に搬入。直径30~40センチの大きなカボチャを割ってカピバラやヤマアラシに食べさせると、奪い合うようにしてカボチャを味わった。水分も含まれており、動物にとっては季節の「おやつ」になった。
「おいしく食べてもらいたい」
観光施設スタッフの吉田麻都香(まどか)さん(28)は「地元で育てた野菜を頂くことができてうれしい。餌やおやつとして活用し、来年以降はイベントでも使えるよう検討する」と笑顔。土井さんは「カボチャを活用して地域の施設とつながる機会になった。おいしく食べてもらいたい」と話していた。