札幌高裁、同性婚を認めない規定は「違憲」と高裁で初判断-報道
(ブルームバーグ): 札幌高裁は14日、同性カップルの婚姻を認めない民法・戸籍法の既定は憲法に違反するとの判断を示したと朝日新聞電子版が報じた。高裁での違憲判断は初めて。
同性婚が認められないのは婚姻の自由の侵害や不当な差別扱いに当たるとして3組が、1人当たり100万円の損害賠償を国に求めていた。2021年に札幌地裁は違憲と判断したものの、政府が法改正に向けた動きを示さなかったとして原告側が控訴した。朝日新聞によると、札幌高裁は賠償を求めた原告側の控訴自体は棄却した。
同性婚を法律上認めるよう求める「結婚の自由をすべての人に」訴訟は2019年から全国5カ所の地方裁判所で行われている。
これまで札幌地裁に加え、名古屋地裁で違憲判決が出ている。東京地裁と福岡地裁では違憲状態とされ、14日に行われた東京地裁での第二次訴訟の判決でも改めて違憲状態との判断を示したと朝日新聞は報じた。大阪地裁のみ合憲とした。高裁での違憲判決は、原告らが求める法改正への追い風となる。
日本は主要7カ国(G7)の中で唯一、同性婚や同性カップルのシビルユニオン(法的に認められたパートナーシップ関係)を認める国レベルの制度がない。
社会や経済界ではLGBTQなど性的少数者の権利に対する理解が高まっている。昨年の共同通信の世論調査では、64%が同性婚を認める方がよいと回答した。経団連の十倉雅和会長は昨年3月、当時LGBTQ理解増進法の成立が難航してたことに触れ、各国が差別廃止に動いている中、その前段階の法改正にも踏み込めないことは「恥ずかしい」と述べている。
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Momoka Yokoyama