【大分】なぜ頻発?「闇バイト」 大分でも事例を確認
大分朝日放送
2024年8月以降、社会問題となっている、いわゆる「闇バイト」による犯罪。 大分県内でも「闇バイト」に応募し事件に加担したケースが確認されています。 (大分県警 安心安全まちづくり推進室 神田英樹室長) 「犯罪グループは逮捕されるまで捨て駒のように使い続ける。警察も必ず逮捕する」 関東を中心に頻発している闇バイトによる強盗事件。主に大学生などの若者を中心に、SNSで「ホワイト案件」「高額バイト」「即日入金」などといった甘い言葉で個人情報を送らせ、強盗や特殊詐欺に加担するよう脅迫する手法です。 闇バイトへの応募と県内での発生を防ごうと、大分県警は若い世代を中心に呼び掛けました。 大分県警によると、2024年県内で逮捕した特殊詐欺の実行犯の中には闇バイトへの応募がきっかけとなった事例があったということです。 (大分県警 安心安全まちづくり推進室 神田英樹室長) 「闇バイトはまぎれもない犯罪行為。闇バイトとは知らなかったというのは一切通用しない」 なぜ凶悪な闇バイト事件が頻発しているのか。 犯罪社会学の研究者は。 (龍谷大学 犯罪社会学研究員 廣末登さん) 「特殊詐欺の(闇バイトは)トレーニングしないと使えない。ところが強盗は雇ってすぐあした使える。怖がったら「集まっている段階で強盗予備だ」と恐怖でしばりつけて強行させる」 止まらない闇バイトによる犯罪。 一体、どのような経緯で犯行に至ってしまうのでしょうか。 ここからはフカボリです。 「闇バイト」による犯罪、関東では強盗殺人事件も起きました。 2024年8月以降の事件の頻発を受けて、警察庁はSNSで異例の保護の呼び掛けをしました。 内容は、闇バイトに応募をした「あなた」や「あなたの家族」を確実に保護します。 というものです。 この呼び掛けのあと、10月中旬からの3週間で46件もの保護依頼があったそうです。 それだけ応募をしてしまって、怖いと思っている人がいるということです。 では応募をするとどんな連絡があるのか。 警察庁が調べた実際の事例です。 インスタグラムで知り合った相手から、匿名性の高い「テレグラム」というアプリへ誘導されます。 その後、個人情報を伝えてしまい、相手の指示を断ったところ、指示役から電話で脅迫されたり、親族にも電話が来たりしたそうです。 そしてこんな例もありました。 闇バイトを辞めたいと指示役に申し出たところ現金を支払えと脅迫された。 個人情報を送ってしまっていることで家族にも危害が加わると心配になると思います。 ただ、龍谷大学の廣末さんは、こう話します。 「本人や家族への嫌がらせや脅迫はあっても実際に襲われることはない。犯行グループはお金にならないことはやらないので、絶対に警察に相談すべき」と話しています。 そして今後についてはより募集の手口が巧妙になり、一般の仕事の募集にまぎれてくるだろうとも廣末さんは予想しています。 「高額」「ホワイト案件」などのワード以外に見分けるポイントは2つあるといいます。 一つは匿名性の高いアプリに誘導されること。 テレグラムなどがその例です。 そしてもう一つが身分証の写真を送るよう要求してくること。SNSで送れと言われたら警戒してください。 「これは闇バイトではないかもしれない」と思っても心配なことや被害の相談がある方は、110番、または警察相談ダイヤル#9110に電話をしてください。 犯罪に加担して取り返しの付かないことになる前に、周りの人や警察に相談しましょう。