6回2死満塁、三ゴロで懸命にヘッドスライディングするもアウトの廣瀨（撮影・伊東昌一郎）

　◆日本生命セ・パ交流戦　巨人0―2ソフトバンク（28日、東京ドーム） 　ソフトバンクのドラフト3位ルーキー、廣瀨隆太内野手（23）＝慶大＝が〝ほろ苦デビュー〟を果たした。プロ初昇格したこの日、「7番二塁」で先発出場して4打数無安打だった。 ■合わせて2573発！「王貞治デー」レジェンド5ショット【写真】 　結果とは裏腹に充実の1日となった。廣瀨は試合後、「まず、めちゃくちゃ楽しかったです。緊張もあったんですけど、すごく楽しかったですね」と振り返った。安打という結果こそ出なかったが「こういう大舞台で試合をやらせていただくっていうのは、やっぱり2軍にいてもなかなかできない経験。自分の野球人生においてすごくプラスにはなったと思います」と収穫を口にした。 　その上で〝課題〟も出たデビュー戦となった。6回2死満塁の第3打席で、巨人先発山﨑伊織のシュートに合わせるも打球は三塁へのボテボテの当たりに。廣瀨は全力疾走し、一塁へヘッドスライディングする執念を見せた。ただ、手先が上に向いた影響もあって判定はアウト。「ちょっと指の少しの（向き）で変わるんだなって」と反省を口にする。その上で1軍だからこそ見えた課題だったと冷静に振り返る。 　「2軍はリクエストもないんで、細かいとこまでは気にしてなかったですけど。やっぱり、そういうとこも自分は気にしていかないといけないと思いました」。一つ一つの細かいプレーが勝負を左右する世界。細部まで意識をやることの重要性を認識できたことは、課題でもあり収穫でもあった。 　小久保監督は「多分、人生で一番緊張したんじゃないですかね。彼にとっては忘れられない1日になったと思います」と語った。大型内野手が刻んだ第一歩は大きかった。（鬼塚淳乃介）