雪組人気スター縣千、男役10年のオーラ 初の東上主演作で華やかさ&巧みなダンスで魅了
雪組の人気スター縣千(あがた・せん)が、初の東上主演作「西洋奇譚『FORMOSA!!(フォルモサ)』-空想世界の歩き方-」に臨んだ。公演は、大阪市北区のシアター・ドラマシティで12月2日に開幕し、同11日に千秋楽を迎えたが、来年1月8~13日には、KAAT神奈川芸術劇場での上演が控えている。 縣は、15年入団の101期生。一人前の目安とされる「男役10年」を迎え、新トップ朝美絢が就いた新生雪組内でも、存在感も増すばかりだ。今作では、天才ペテン師にふんしてセンターに立った。 作・演出は熊倉飛鳥氏。舞台は18世紀初頭のヨーロッパ。偽修道士として放浪していた青年ジャンは、イギリス国教会牧師で詐欺師のイネスと出会い、ロンドン教会主教から多額の施しをだまし取ろうとたくらむ物語だ。ジャンを熱演した縣は、イネスにふんした20年入団106期生の華世京(かせ・きょう)とタッグを組み、客席を創造の世界へ導く。 2人は、架空の国「フォルモサ」を作り上げ、ジャンは「ジョルジュ・サルマナザール」をかたり、見事な口八丁ぶりで詐欺師としての“天賦の才”を発揮していく。 舞台映えする華やかなルックスに巧みなダンス、大胆な役作りでファンを魅了する縣は、存分にその技量を発揮した。 ジャンが仲間に引き入れる地理学者の娘シェリルは、105期生の娘役、音彩唯(ねいろ・ゆい)がふんし、今作ヒロインを務めた。 【村上久美子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「宝塚~朗らかに~」)