イメージ重視? それともモラハラ? “他人を支配”しがちな海外セレブたち
ヘンリー・カヴィルの場合
一方、仕事にコントロール・フリークぶりを持ち込み、人気番組から解雇されるスターもいる。人気ファンタジー小説をTVシリーズ化した「ウィッチャー」で主役を演じていたヘンリー・カヴィルは、次第に撮影現場で身勝手な大物ぶりを発揮。女性脚本家や女性監督に対して無神経なコメントをするようになっただけではなく、ショーランナーのローレン・ヒスリッチに無断で脚本に変更を加えようとしたという。脚本家が彼の要求を無視しても撮影現場で勝手にセリフなどを変えてしまうため、共演者もうんざり。ヒスリッチはのちに「彼はストーリーを完全にコントロールしたかったようですが、TVの限界、予算、構成などをまったく理解していませんでした」とカヴィルのコントロール・フリークぶりを暴露、結果的に主役をリアム・ヘムズワースに交代させる措置が取られたわけで、テレビ界においても前代未聞の出来事だった
トム・クルーズの場合
ハリウッドきってのコントロール・フリークといえば、トム・クルーズだ。自身でスタントに挑み、完璧主義者としても知られている。しかしこの9月に『アイズ・ワイド・シャット』(’99)脚本家フレデリック・ラファエルが上梓した本『Last Post』によると、クルーズは“自己中心的なコントロール・フリーク”なのだそう。24年も前の映画撮影体験を今さら蒸し返す怒りエネルギーが物凄いのだが、結構な言いがかりと思える描写が多そうだ。ラファエルが何を根拠に自己中心的とクルーズを非難するのかはよくわからないのだが、彼はカヴィルのように役を降ろされたり、撮影スタッフから避難されたことはない。パンデミック中の『ミッション・インポッシブル:デッド・レコニング』(’23)撮影現場でスタッフを叱責する音声が流出した際には、映画製作をつつがなく進めたいプロデューサーとして当然と称賛されたほどで、コントロール・フリークぶりを正しい方向に向けている証拠だろう。