「カワイイ」で人気だったウーリン・エアEVのブームが終了!? インドネシアで見えたBYDの台頭
日本でも月日が経つごとに日産サクラの新車販売台数は減少
エアEVとは似て非なる存在ともいえるのだが、日本でも軽自動車規格のBEVとなる日産サクラも「エアEV化」といった状況になっているとの声もあるので調べてみると、その状況はエアEVほど深刻なものではないものの、一時のブームが落ち着きを見せているといった程度になっているようであった。 サクラは2022年6月より正式販売開始となっている。全軽自協(全国軽自動車協会連合会)の統計によると、2022暦年(1~12月/サクラの場合は5~12月)締めの年間累計販売台数は2万1887台、2023暦年締め年間新車販売台数は3万7140台となっている。2022暦年での月販平均台数は3700台弱、2023暦年締めでは3000台強となっている。月販最大台数は2022年9月の4247台となるが、直近半年での月販平均販売台数は約2800台となっている。 それでも直近半年の月販平均台数でも約2800台なので“販売不振”という状況になっているともいえないが、「販売現場での実感は以前ほどの勢いはないとも聞きます」とは事情通。航続距離などのスペックを見れば使用状況は限定されるし、ディーラーへ行けば「遠出を考えているのならサクラは不向き」といった説明を受けたこともあった。 インドネシアで聞いたような「エアEVは終わった」というほどの販売台数の落ち込みはないものの、「欲しい」という人に十分行き渡ってきているので、販売状況が落ち着きを見せてきているという表現の方がふさわしいかもしれない。納期も短めとなっているようなので、買い求めやすくなっているのは間違いないようだ。 年央辺りにBYDのコンパクトBEVとなる「ドルフィン」の供給体制がいま以上に整うとのことなので、「使用制限(遠出に向かないなど)」のないドルフィンへ、サクラのようなBEV購入を検討していた人が流れるような事態になれば、また話は変わっていきそうである。
小林敦志