古田新太「お客さんはもっと上をいっている」演技をする際に意識“していない”こと
「演出家が違うというのは、漫画家が変わることと同じ」
――悪だけではない、どこかコミカルさがついて回るところもいのうえ歌舞伎らしさかなと思うのですが、古田さんが思う「いのうえ歌舞伎」の魅力とは? 「基本的には中島さんが描く世界観なんだけど“いのうえ歌舞伎”はいのうえさんが演出をするので、決して『月刊アフタヌーン』とか『漫画アクション』とか青年漫画にはならない。『少年マガジン』や『少年ジャンプ』みたいな“少年漫画雑誌”になっちゃうんですよ。 中島さんは元々『アクション』の編集者だったのに、それをいのうえさんが演出するから、 原作:武論尊、作画:赤塚不二夫みたいになって、出てくるキャラクターも“バカボンのパパ”とか“イヤミ”になっちゃう。だから中島さんが別の劇団に書いた作品はまたちょっと違うものになるんです。演出家が違うというのは、漫画家が変わることと同じですから」 古田さんが演じる“ゴノミカド”は関西弁を話すという設定だが、自身曰く「オイラは関西弁が苦手なんだけど、ゴノミカドはインチキ関西弁だから思い切りやればいいかな」と、あくまでマイペースに意気込みを語る。きっと、何かを起こしてくれるに違いない。 ふるた・あらた 1965年12月3日、兵庫県生まれ。大阪芸術大学在学中にデビュー。近年の主な出演作に、映画『空白』や、テレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』、『俺のスカート、どこ行った?』、『不適切にもほどがある!』、NHK大河ドラマ『どうする家康』など多数。また、「劇団☆新感線」の各作品のほか、『贋作・罪と罰』、『リチャード三世』、『パラサイト』などの舞台にも精力的に出演している。 衣裳協力/カーディガン28,600、パンツ22,000/共にパゴン(問パゴン本店Tel075-322-2391) 根津香菜子
根津香菜子