【高校野球】4年ぶり単独出場のえりもが昆布パワーで11年ぶり勝利目指す…春季全道高校野球地区予選組み合わせ決定
第63回春季全道高校野球大会(5月22日開幕、札幌円山)地区予選の組み合わせ抽選会が24日、室蘭と十勝で行われた。バスケットボール部からの助っ人4人を加えて4年ぶりに単独出場するえりもは、2013年夏以来の公式戦勝利を目指して10日の初戦で苫小牧工と対戦する。23日には札幌地区の抽選会が行われ、3月のセンバツに出場した北海は、10日の初戦で札幌北陵―札幌南の勝者と対戦することが決まった。 *** “昆布パワー”で勝利をつかみ取る。20年夏以来の単独出場が決まり、えりも・斉藤慶太主将(3年)は「新鮮な感じ。単独のほうが連係がとりやすい。必ず1勝したい」と意気込みを口にした。 昨秋までは連合で公式戦に出場。今年の冬に指導者と選手で協議し、単独出場を目指すことを決めた。普段から他の部活動との合同練習で親交があったこともあり、バスケットボール部員4人が快く依頼を引き受けてくれて選手10人が集まった。助っ人4人は全員が野球経験者。中には小学時代に全道大会に出場した経歴を持つ選手もおり、斉藤は「ブランクを感じさせないくらいの上手さ」とうなずく。 学校所在地のえりも町は、日高昆布の産地としても知られる。選手10人中約半数の親が漁師で、斉藤の実家も昆布漁を営んでいる。船を出さない「拾い昆布漁」を含めて例年4~10月頃までは毎日午前4時半~6時半まで昆布を干す作業を手伝うのが日課だ。昆布が入った約20キロのかごを持ち運ぶ作業で足腰が鍛えられると言い「実家が漁師の家は手伝うのが当たり前で、試合当日でも間に合うなら手伝う。良いトレーニングになる。昆布はみそ汁に入れて食べるのが好き」と白い歯をこぼした。 近年は学校の生徒数が減少傾向にあり、今春入学してきた新1年生の野球経験者は0人と危機的な状況だ。それでも、今春センバツに出場した別海のように野球で地元を盛り上げたい気持ちは強い。斉藤は「別海が甲子園で戦っている姿を見て刺激を受けた。僕たちも負けてられない」。今年は昆布が少なく、大会期間中の家業の手伝いは免除される見込み。野球に全集中で、11年ぶりの公式戦白星を“収穫”してみせる。(島山 知房) 〇…昨春の全道大会準優勝校・北海道栄がノーシードから頂点を目指す。室蘭地区2回戦で敗退した昨秋から、全部員が1か月で1キロ以上の体重増量ノルマをクリア。70から76キロになった小林優斗主将(3年)は「春になって成果を感じている」とうなずく。練習試合ではセンバツ代表の北海に2戦2勝。「まずは全道に行けるように一戦一戦、戦いたい」と気を引き締めていた。
報知新聞社