茂木派パーティー開催も…岸田首相は「うかうかしていられない」とけん制 “ポスト岸田”候補・茂木氏の現状と課題
12日、東京都内で自民党・茂木派のパーティーが開かれた。幹事長就任から1年半を迎える茂木氏はポスト岸田の筆頭候補として名前が挙がっているが、パーティーでは岸田首相が『私としても、うかうかしていられない』『もうしばらく、当面は岸田政権を支えて欲しい』などと茂木氏をけん制する場面も見られ、2人の間の微妙な距離感がうかがわれた。
■茂木派パーティーは盛会も…岸田首相が突然のけん制
12日、都内のホテルでおよそ2000人が集まり、自民党の派閥「平成研究会」=茂木派のパーティーが開かれた。外相や幹事長など、政府や党の重要ポストを次々と務め、ポスト岸田の筆頭として名前が挙がる茂木氏。本人も周辺に対し「地元からの期待を感じている」と話し、ゴールデンウィークにはアメリカ・ワシントンを訪問し米政府の要人らと会談を重ねるなど、ポスト岸田への意欲をにじませている。 茂木氏はパーティー会場で終始、上機嫌で、来場客に積極的に握手を求めるなどしていたが、岸田首相のあいさつで会場内の空気は変わった。 岸田首相が茂木氏のことを「政界随一の頭脳」などと持ち上げる一方で、『私としても、うかうかしてはいられない気分だ』『日本が大事な時なので、もうしばらく、当面は岸田政権をど真ん中で支えていただくようお願いする』などと、けん制する発言を繰り返したのだ。
■突然の少子化対策での発信…「茂木政権」の看板政策に想定
茂木氏は今年1月、衆議院本会議で「全ての子どもの育ちを支える観点から児童手当の所得制限を撤廃すべきだ」と発言した。かつては自民党が否定していた「所得制限の撤廃」を突如打ち出したことに本会議場ではどよめきが起こった。 どちらかというと外交や経済に明るいイメージの強い茂木氏だったが、この「所得制限の撤廃」発言を皮切りに給食費無償化など少子化対策の政策を積極的に打ち出し始めた。 自民党関係者によると、実は茂木氏は大胆な経済支援を中心とする「少子化対策」を、自らの政権が実現した際の看板政策の一つとして想定していたのだという。実際、茂木氏は国会見学に来る地元の小・中学生との交流を20年以上、欠かさず続けるなど、若い世代への思い入れは強い。部下に厳しいことで知られる茂木氏も、子どもたちと交流する時ばかりは「やっぱりパワーをもらえる」と頬を緩め、「子どもの数は国力そのものだ」と強調する。