岸田前首相の狙いは?「資産運用立国」推進へ議連立ち上げ 〝石破政権の生みの親〟党内からは「復権に向けた地ならしでは」の声も
■財務省出身者らと 岸田文雄前首相が、首相在任中から主張してきた個人の貯蓄を投資に回す「資産運用立国」の推進へ、22日に議員連盟を立ち上げることが分かった。関係者が明らかにした。「石破政権の生みの親」が復権を狙っているのか。 【旧NISAとの違い】新NISAは「貯蓄から投資へ」を加速するために導入された。 新議連の呼びかけ人には、木原誠二選対委員長と村井英樹前官房副長官ら旧岸田派メンバーが名を連ねた。岸田氏は「資産所得倍増」を掲げて、首相在任中から新NISA(少額投資非課税制度)を導入するなど投資への流れを加速化させた。ともに財務官僚出身で経済政策に明るい木原、村井両氏も岸田政権を支えた面々だ。 議連の設立では個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」などの拡充を目指し、岸田路線を継承する石破茂政権を後押しする構えだ。 一方で、与党は衆院選で大敗しており、党内からは岸田氏の議連設立は「復権に向けた地ならしでは」との声もある。 政治ジャーナリストの安積明子氏は「石破首相には経済政策を主導している印象が薄い。自民党総裁選直後には株価が急落する『石破ショック』も起き、早くも財界からは岸田氏の復権を願う声が出ている。石破首相は来夏の参院選までもたないのではとの見方もある。岸田氏には経済に強いという自負があり、首相返り咲きを十分意識しているだろう」と話した。