かもめんたる、舞台『鴨川ホルモー、ワンスモア』で「もう25年くらい前だけど、大学生の頃の感じを再現できたらな」
万城目学さんの小説『鴨川ホルモー』は、ホルモーと称した謎の競技に興じる大学生たちの青春を描いた作品。今回、舞台化を手掛けるのは、ヨーロッパ企画の上田誠さん。かもめんたるのおふたりは、昨年上田さんが脚本・演出を務めた舞台『たぶんこれ銀河鉄道の夜』に続いて上田作品出演に。 1000年続く謎の競技・ホルモーに興じる大学生たちの青春が舞台に。 槙尾ユウスケ:稽古が楽しいんですよね。結構自由にやらせていただけるし。 岩崎う大:僕は自分の劇団で作・演出もやってるんで、役者だけやらせてもらえてご褒美みたいな感覚です。 槙尾:う大さん、めっちゃ自由にアドリブしまくってますもんね。 岩崎:逆にそのぶん、プレッシャーもあるんだけど…。たぶん演出家側からしたら、作・演出もする役者を使うストレスもあると思うんです。だからそのぶんのメリットも作品に対して提供できたらなとは思って。 ――気になるのは、オニ語を駆使し1チーム1000匹のオニを使役して戦うホルモーを舞台でどう描くのか。 岩崎:そこは全部上田さんが考えるわけで、こちらは体験できるのをただ楽しみにしてます (笑) 。 槙尾:きっとすごいプロジェクションマッピングを使ってくるんだろうけど、さらに何か仕掛けを考えてるかもしれないですよね。オニ語も最初は違和感ありましたけど…。 岩崎:僕はわりとすぐに入ったし、すんなりやれてる気がする。 槙尾:でもそれも上田さんマジックなのかもしれないです。この間の稽古で、誰かが言った「ぐああいっぎうえぇ」ってオニ語に、上田さんが「そこの“ぎうえぇ”はそんなに力が入らないです」って言ってて。上田さんの中に、映画版とも違う、オニ語のイントネーションの正解っていうのがあるんだと思って。 岩崎:上田さんにはホルモーが見えてるのかもしれないよね。そもそもこの題材を選んだということは、上田さんには勝機が見えているんだろうから。結局この作品の魅力って、ストーリーの中に描かれる人間の群像劇としての面白さだと思うし。 槙尾:恋愛がかなり絡んでくる作品ですが、その辺もしっかり描こうとしているのを感じます。 岩崎:物語自体、大学生の若さとかエネルギーがずっと1か所で循環してるような感じがあって、それがいろんなノイズを起こしていくところが面白いのかなと感じてて。だからもう25年くらい前だけど、大学生の頃の感じを再現できたらなと。 槙尾:確かに。演じてると大学時代を思い出しますよね。 岩崎:僕らは早稲田だったから、高田馬場の駅前の集団の騒がしさとか、無秩序な感じとかね (笑) 。 ニッポン放送開局70周年記念公演『鴨川ホルモー、ワンスモア』 京大1回生の安倍 (中川大輔) が勢いで入ったサークル「京大青竜会」の正体は、1000年の歴史を誇る謎の競技「ホルモー」をするサークルだった。伝統を引き継ぐ先輩と同期、激しくぶつかり合うライバル校、迸る恋のバトル…ってかそもそも「ホルモー」って何! ? 青春群像劇、開幕。4/12~29 池袋・サンシャイン劇場 原作/万城目学 (『鴨川ホルモー』『ホルモー六景』/角川文庫) 脚本・演出/上田誠 (ヨーロッパ企画) 出演/中川大輔、八木莉可子、槙尾ユウスケ (かもめんたる) 、岩崎う大 (かもめんたる) ほか 一般平日¥8,500 土・日・祝日¥9,800ほか 公演事務局 contact2@pragmax.co.jp 大阪公演あり。 かもめんたる 岩崎う大 (左) 、槙尾ユウスケ (右) からなるお笑いコンビで、2013年にキングオブコント優勝。’15年に劇団かもめんたるを旗揚げし、劇団員を迎えて演劇公演も精力的におこなっている。 ※『anan』2024年4月17日号より。写真・岩澤高雄 (The VOICE) インタビュー、文・望月リサ (by anan編集部)