森さん(南砺)初特選 日展・日本画、県内再入選は3人
●彫刻で再入選2人 第11回日展の日本画、彫刻の入選者が24日発表され、富山県内からは日本画で森花さん(26)=南砺市、金沢美大大学院日本画専攻博士課程2年=の「風の色」が初めて特選に選ばれた。 県内在住者の再入選は、日本画で3人、彫刻は2人だった。新入選はいなかった。日本画は335点の応募があり、159点が入選した。彫刻には83点が寄せられ、入選は58点だった。 県内の入選者、出品者は次の皆さん。 【日本画】◇再入選 網谷真佐美(富山)小野美恵子(砺波)前都志子(射水)◇出品▽会員 岡田繁憲(南砺)岡本明久(砺波市出身、千葉県) 【彫刻】◇再入選 田畑智功(高岡)音琴●(さんずいに水)春(砺波) ◇出品▽会員 齋藤尤鶴(砺波)青山三郎(南砺)宇津孝志(富山)加茂為男(南砺)熊谷喜美子(射水)大丸敏(砺波)田畑功(高岡)野村光雄、川田良樹、島田見根夫(以上南砺)二塚佳永子(高岡)得能節朗(金沢)▽準会員 森田一成(富山)横山丈樹(南砺) ●北陸独特の光描く 森花さん(26) 生活の中で目にする「何気ない風景」に北陸独特の光を感じる。「風の色」は金沢市小立野の通りで枝を広げる柿の木を描いた。「どこか寂しいけれど心地いい。親元から離れた心境に重なる、そんな木の姿を描きたかった」。7月から搬入期限の今月中旬までに一気に仕上げた作品で「まさか特選とは思わず驚きました」と満面の笑顔を見せた。 福岡県で生まれ、親の転勤で引っ越した大分県で育った。3歳の頃から好きだった絵の道に進もうと金沢美大に進学した。九州との違いを特に感じたのは北陸の光で、風景の色が繊細だった。学部、修士、博士課程と学生生活が8年目の夏から秋、毎日目にし励まされもした柿の木と向き合い、素直に描いた。 1月に南砺市福光の一軒家を借り、金沢市から引っ越した。「段々作品が大きくなり、アトリエがほしい」と思い立ったからだ。大学までは車で約30分と近い。「これからも日常を描き、北陸で暮らし続けられたらいいですね」。光の美しさ、心地良さを描く自分なりの表現を求めていく思いだ。