<甲子園交流試合・2020センバツ32校>広島新庄、きょう天理と対戦 さあ聖地、100%の力を /広島
兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕した2020年甲子園高校野球交流試合は11日、第1試合に登場する広島新庄が天理(奈良)と対戦する。新型コロナウイルスの影響で出場を確定させていた春のセンバツに続き夏の選手権大会も中止になったが、夏の甲子園で優勝経験のある強豪との一戦に、選手たちは闘志を燃やしている。 【真夏の熱闘】交流試合の写真特集はこちら 「ナイスバッティング」。8日、北広島町のグラウンド。金属バットの鋭い打球音が響くと、周囲から掛け声が飛んだ。チームは19年秋の中国大会で4強入り。6年ぶり2回目の出場を確定させていた20年春のセンバツがコロナ禍により中止になった。目標を失いかけたが、6月に交流試合の開催が決まって以降はこれを照準に調整してきた。 「中止は残念だったが、気持ちを切り替え練習してきた」。副主将の杉井秀斗選手(3年)はそう振り返る。センバツでの指揮を最後にチームを離れるはずだった迫田守昭前監督が3月に退任、4月に就任した宇多村聡監督には交流試合が甲子園での初采配となる。「コロナ禍で特殊な環境下でのプレーだが、100%の力を出させてあげたい」と言う。 夏の広島大会に代わる独自大会で、チームは準々決勝で姿を消したものの、交流試合が「最後の夏」となる3年生の士気は高い。相手は1986年の夏の甲子園に優勝し、昨秋の近畿大会も制した強豪校だが、下志音主将(同)は「勝ち負けだけにこだわらず、最後に仲間と甲子園に立てる喜びをかみ締めてプレーしたい」と意気込む。【池田一生】