松山ケンイチ&染谷将太「間違いなくご利益があるはずです」──映画『聖☆おにいさん THE MOVIE ~ホーリーメンVS悪魔軍団~』12月20日(金)全国公開
人気ギャグ漫画の実写映画版『聖☆おにいさん THE MOVIE ~ホーリーメンVS悪魔軍団~』が12月20日(金)に公開される。主演の松山ケンイチと染谷将太が、撮影の舞台裏と見どころを明かした。 【写真を見る】豪華過ぎる共演陣! 賀来賢人、岩田剛典、勝地涼、白石麻衣、仲野太賀、神木隆之介ほか
ほかの現場の鬱憤を晴らしに来ている?
イエスとブッダが、東京・立川の風呂なし6畳一間のアパートでふたり暮らしをしながらバカンスを過ごす──。中村光原作の漫画「聖☆おにいさん」の実写映画版は、松山ケンイチがイエス役を、染谷将太がブッダ役を演じた。 ──実写映画化にあたっては、原作者の中村光さんが長編用のストーリーを書き下ろし、そのストーリーに沿って福田雄一監督が脚本を書いたとうかがっています。脚本を読んだときの感想をお聞かせください。 松山ケンイチ ロケもありましたし、映画版はアパートの部屋から外に出るんだ、と。 染谷将太 人物も増えて、いろいろなキャラクターが登場します。いままではイエスとブッダのふたりだけの世界だったので、「どうなっていくんだろう」という楽しみがありました。 ──コロナ禍があって世界中の人が人生や仕事について考えたと思います。イエスとブッダを演じるにあたって、コロナ禍を経験したことによる変化はありましたか? 松山 コロナ禍がはじまる前に田舎に移ったんです。仕事のスケジュールを調整しながら、畑をやりたいと思って。でも人がいないところなんで、あまり生活は変わらなかったですね。染谷くんは仕事がキャンセルになったり、あったんじゃない? 染谷 かなりありました。2020年はNHKの大河ドラマをやっていたので、そのときに1回撮影が止まりましたね。社会が動き出して撮影現場が再開しても、コロナ禍前とまったく同じに戻っていたかというと、そうではなかった。自分が気づいていないレベルでも違っていたと思います。今回、たくさんの方々が集まって、こういう笑える作品を作れるというのは、喜びもひとしおです。 ──試写会で作品を拝見すると、撮影現場のテンションがかなり高かったように推察できます。福田雄一監督の演出で、印象に残っているものをお聞かせください。 松山 福田監督は、こういうふうに演じてほしいというのを、ご自身でやられるんですよ。それがめちゃくちゃおもしろい。凄すぎて心が折れるくらいで。でもお手本があるのである意味で安心して芝居をすることができました。神木(隆之介)くんは、福田監督がはじめてだから緊張すると言っていたけれど、めちゃくちゃ暴れん坊というか……。みなさん、ほかの現場の鬱憤を晴らしに来ているみたいな(笑)。 染谷 本当にすごい。めっちゃ飛ばして、アドリブもすごくて、毎日、一番いい席でそれを見せてもらっている感覚でした。 松山 演技中に笑っちゃうのを我慢してたもんね。しかも、笑うのを我慢しているテイクもあるはずなのに、我慢できずに笑ってしまったテイクを使っているところもある。あれ、わざとでしょ? 染谷 絶対にそうですね。 ──共演者は主役を張れる方ばかりです。そういう作品で主役を務めるのは、プレッシャーがかかるものなのでしょうか? 松山 この作品に関しては、ないですね。衣装合わせに来たときに他のキャストを知りましたから。えっ、神木くんも出るの?窪田(正孝)くんも出るの?って。染谷くんは、映画化されるのを美容院で知ったんでしょ? 染谷 はい、(福田)監督と同じところで髪を切っていまして、そこで映画化されるらしいという噂を聞きました(笑)。 ──原作ファンには、俺の好きなイエスがいて、私の大事なブッダがいるはずです。そんなキャラクターを演じるにあたっての心構えや、気をつけていることがあればお聞かせください。 松山 原作を読んだほうがいいのか、読まないほうがいいのかというところから監督と話をするんですが、やっぱり原作と別物としてなにかをやろうという気持ちはまったくないですね。原作を大事にしたいし、なにかを足すなら足す、なにかを抜くなら抜くで、そこに理由がないと難しいと考えています。 染谷 原作に流れている血と実写版で流れている血は、基本的には同じ。ちゃんとその血をとらえて、表現することが大事じゃないかと思っています。 ──まもなく公開ですので、お説教をお願いします。 松山 登場人物が、ほとんど神と仏なんです。ご利益が間違いなくあると思うので、神仏に祈りたいという方は、ぜひ来ていただきたいなと思います。 染谷 そういう意味でも本当に年末年始にぴったりの作品。何世代にもわたって楽しめるので、みなさんに来ていただきたいと思います。 松山ケンイチ 1985年生まれ。青森県出身。2001年にオーディションで合格、モデルとしてデビュー、翌年から俳優活動を開始する。映画『ノルウェイの森』やNHK大河ドラマ『平清盛』といった話題作で主役を演じた。 染谷将太 1992年生まれ。東京都出身。子役として活動をスタート、2011年の第68回ヴェネツィア国際映画祭に出品された『ヒミズ』で新人俳優に授けられるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞、一躍脚光を浴びた。