「ネットに転がってない登山を」日本の大学生5人 標高6524m…ヒマラヤ未踏峰に初登頂
■大学生5人が語る“初登頂”秘話
思いを形にした5人に迫ります。ネパールにいる登山隊5人と中継がつながっています。 (Q.初登頂おめでとうございます。総隊長の井之上さん、なぜ未踏峰にこだわったのですか) 青山学院大学 井之上巧磨さん 「僕たちは、登山の持つ一つの側面として、未知なる山やルートを既知なるものに変えていく、探検的精神を含んだ営みがあると考えています。ただ、日本やエベレストといった有名な山だと、情報がありふれていたり、ネット上で手に取るようにルート情報が分かってしまったりします。未踏の山を選ぶことで、探検的精神を含んだ登山をしてみたいという思いがあります」 (Q.アタックが失敗したことも意味があることですね) 青山学院大学 井之上巧磨さん 「そうですね。このご時世にアタック失敗は、有名ルートだとなかったりします。自分たちで探りながらルートを選択していくのが未踏峰遠征の面白いところなのかなと」 (Q.尾高さん、過酷な経験もあったと思いますが、いかがでしたか) 東京大学 尾高涼哉さん 「正直、大変なことも多かったです。日本の山よりもずいぶん寒かったり。今回、西側を登ったので、朝は日が当たらなくてとても寒くて、指先を動かさないと凍傷になりそうな寒さもありました」 (Q.過酷な中で遠征期間は2カ月近く。中沢さん、意見がぶつかったり、ギスギスしたりしたことはありましたか) 立教大学 中沢将大さん(21) 「未踏ルートなので、自分たちで意見を出し合いながらルートを探っていくうえで、意見の対立はありましたが、特にケンカはなくて。ずっといい雰囲気の中で行うことができて、いいチームだったと思っています」 (Q.遠征の資金集めも大変だったと思いますが、芦沢さんはどんな苦労がありましたか) 中央大学 芦沢太陽さん(21) 「今回の遠征で1人あたりだいたい100万円ちょっとお金がかかっています。遠征に行くと決めてからコツコツとアルバイトをしたり、我々の所属団体である日本山岳会の会員の方々からのご支援だったり、それぞれの大学山岳部のOBの方々からのご支援などでなんとか工面しました」 (Q.横道さん、就職活動はどうしていましたか) 立教大学 横道文哉さん 「実は僕以外、休学していまして。僕は無事、遠征の1カ月前に合格通知を頂き、無職ではない状態で遠征に向かえました。しっかり打ち込むという面で、休学という選択肢もありましたが、僕みたいに普通に就職する学生もいた感じでした」 (Q.横道さん、トレーニングもあったなかで過酷だったのではないですか) 立教大学 横道文哉さん 「皆さんは大学に行かなくてもいいのでアルバイトもできましたが、僕の場合は午前4時半に起きて3時間ほどアルバイト先のカフェでカフェラテを作り、その後、大学の図書館で6時間ほど勉強をして、夜は部活でトレーニングをして帰るという生活を週5~6で続けていました」 (Q.井之上さん、今回の初登頂を通して伝えたいメッセージはありますか) 青山学院大学 井之上巧磨さん 「過去に登山ブームがあって、山岳部がすごい流行った時期もあったと思いますが、今はどうしても下火で部員数が少ない大学も多いと思います。今回の遠征やVTRを見て下さった方に、少しでも山岳部に興味を持ってもらえたらうれしいです」
テレビ朝日