平昌五輪後の北朝鮮 共同通信磐村氏が会見(全文1)韓国への対話攻勢強める
共同通信の磐村和哉編集委員が27日午後3時半から東京の外国特派員協会で、記者会見した。テーマは平昌五輪後の北朝鮮について。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「【中継録画】平昌五輪後の北朝鮮テーマに共同通信・磐村編集委員が会見」に対応しております。
今年に入って、北朝鮮が韓国へ対する対話攻勢を強めている
磐村:(英語)ここから日本語でいきます、すいません。羽生さんが、北朝鮮の選手と平昌で、練習場で出会ったという話がご紹介されたようですけれども、私も何度か平壌で北朝鮮のフィギュアスケーティングというのは見たことがあります。 そのときに、平壌の国際大会に来ていたロシアのスケーターに話を聞きました。そのロシアの選手が語っていたのは、北朝鮮のレベルというのはまだ発展途上であると。そして、基本はできているけれども、やはり情報がないせいなのか、いわゆる世界のスケーティングの潮流とはまだ距離があるという話をしていました。私も何度か別の競技団体の役員、北朝鮮の競技団体の役員から、最新の技術テキスト、テキストブックですね、これを提供してもらえないかと頼まれたことはあります。北朝鮮は情報を公開していない国ですけれども、逆に情報もなかなか入ってこない世界であるということが、そのとき実感しました。 その北朝鮮が今年に入って、韓国へ対する対話攻勢というものを強めています。その狙いについて、これからお話ししようと思います。お手元に用意しましたレジュメに沿ってお話を進めます。多くの専門家が指摘しますように、北朝鮮の狙いというのは主に2つあります。1つは韓国をアメリカからの軍事的圧力の盾にするということです。北朝鮮は核を開発することによってアメリカが攻撃できないというふうに言っています。ただ、それでもやはり不安なのだと思います。そして、2番目は経済制裁の風穴、経済制裁に抜け道をつくる道具として韓国を利用するということです。 ただしこれは、今お話しした2つは、あくまでわれわれが外から見た分析です。もう1つ重要な点というのがございます。それは、北朝鮮も韓国も、今年分断70年を向かえています。その民族の分断という負の遺産、これを解消するということが北朝鮮の指導者、韓国の指導者、共通する思いがあるというふうに思います。これは誰も反対できません。分断の歴史というものを解消する、その政治的な業績というものが、金正恩委員長、それから文在寅大統領双方にとって必要であるというふうにいえると思います。 ただし、その分断の遺産を解消するというプロセスにおいて、やはり非核化を置き去りにしたまま進めることは国際社会との協調という意味で、韓国にとっては大きな負担となっています。韓国は南北対話と米朝対話、これを同時に進めることによって自分たちのポジションを確保しようというふうにしているようです。非常に韓国の外交が今、難しい課題を背負っているというふうにいえると思います。