「貯蓄から投資へ」にリスクはないの?資産形成の根本的な着眼点
日本では、家計における金融資産の半分以上が現預金に偏っています。 そのため、投資が積極的に行われている米国や英国などの諸外国に比べて、家計金融資産の上昇率が低いのが現状です。 【一覧表】貯金?投資?主な金融商品ごとの特徴やNISAのポイントに迫る 依然として低金利下にある日本では預貯金だけで資産を増やすのは難しく、投資による資産形成の重要性が高まっています。 そこで注目を浴びているのが2024年から始まった「新NISA(少額投資非課税制度)」です。今回は、貯蓄と投資の違いや、資産形成の根本的な着眼点について考えていきましょう。 記事の後半では、よくある新NISAへの不安や疑問にお答えしています。「投資のリスクが怖い」「そもそも新NISAは怪しい」など、新NISAの利用をためらっている方はぜひ参考にしてみてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
「貯蓄」と「投資」の違い
まずは、貯蓄と投資の違いについておさらいしましょう。貯蓄とは、将来に備えて銀行などにお金を預けておくことを指します。一方、投資とは、株式や投資信託などの金融商品を購入し、運用益を狙うことを指します。 貯蓄と投資の主な特徴として、以下のような点が挙げられます。 ●<貯蓄の特徴> ・元本が保証されている ・いつでも使える ・一定の利息が付くが、ほんのわずか ・インフレに弱い ●<投資の特徴> ・元本が保証されない ・現金化にやや時間がかかる ・リスク相応のリターン(運用益)が期待できる ・インフレに強い 貯蓄と投資の大きな違いは「元本保証の有無」ですが、引き出しの自由度やインフレへの強さといった点にも違いがあります。 では、なぜ「貯蓄から投資へ」というスローガンが掲げられているのでしょうか。次に、投資による資産形成の重要性について見ていきましょう。
投資による資産形成の重要性とは
銀行預金での貯蓄なら元本割れの心配はありませんが、受け取れる利息はほんのわずかです。 さらに、昨今は物価の上昇率が預金金利を上回っており、お金の価値が相対的に低下しているという現実があります。 一見するとリスクがないように思える銀行預金でも、「インフレリスク」にさらされているということを認識しなければなりません。つまり、現在の100万円が、10年後、20年後に同じ価値があるとは限らないのです。 物価の上昇以外にも、老後2000万円問題、税負担の増加、年金不安など、将来への不安は増すばかり。そこで重要視されるのが投資による資産形成です。 物価の上昇を上回る運用益を期待できるのが投資であり、うまく運用できればゆとりある老後生活を送れる可能性があります。 投資にはリスクがあるので、徹底したリスク管理を行う必要はありますが、運用方法によっては安定した運用成果が期待できます。