サンロッカーズ渋谷、茨城に快勝 中断期間前最後の試合
Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が11月10日、茨城ロボッツ(同、茨城)と対戦し83-54で快勝した。(シブヤ経済新聞) 【写真】最終クオーターにファウルを受けながら3ポイントシュートを決めたジョシュ・ホーキンソン選手 前日の試合で「間違ったオフェンスをしてしまい」リズムをつかめなかった反省を生かし、立ち上がりから茨城の守備を的確に突いた攻撃で得点したSR渋谷。前日はトップからの攻撃でミスが多発していたことから45度から攻撃を始めるプレーや、茨城のスイッチ(守る選手を入れ替える守備)が「ビッグマンはそのままビッグマンに付いて、ヘルプは逆サイドのガードが来ていた」(ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC))ことから、ジョシュ・ホーキンソン選手とケビン・ジョーンズ選手をゴール下近くの制限区域の高い位置と低い位置に配置することで守備とのギャップを作り、ボールをつなぎ得点を挙げるなどした。 16-14で迎えた第2クオーター(Q)は、ベンドラメ礼生選手が3ポイント(P)シュートやリバウンドから得点。田中大貴選手は得意のミドルレンジでの得点や、インサイドへのアタックからジョシュ・ホーキンソン選手の得点をアシストするなどガード陣が躍動。田中選手はさらに、速攻でトロイ・マーフィージュニア選手のダンクをおぜん立てして場内を沸かせた。 田中選手はマーフィージュニア選手と体をぶつけて喜びあったが、「トロイがそれでのってくれたら自分がもうちょっと休めるかなと思った」と冗談めかしつつ「純粋に良いプレーだった」と振り返る。「トロイは(以前所属していた)アルバルク(東京)時代に(現・長崎ヴェルカの馬場)雄大と一緒にやっていたのと感覚的に似ている。走り出しのスピードや跳躍力がすごいのでチャンスがあればどんどん前に出してあげたいし、彼自身もスチール(ボールを奪うプレー)とか読みも良いはずなので、やってくれたらもっとチームのプラスになる」と言い、「21歳で自分から見ても感情の浮き沈みが激しい。気持ちは分かる部分があるが、高みに行くなら常に集中して、どんな時でもやるべきことをやらないといけないのがプロの世界。そこをもうちょっと理解してやればチームの力になる」と期待を込める。 43-29とリードを広げ迎えた後半。序盤はケビン・ジョーンズ選手が3Pシュートやゴール下での1対1などから得点し、守備ではゴール下で体を張ってミスを誘うなど攻守でチームを引っ張る。60-42で迎えた最終Qは、ジョーンズ選手や田中選手が守備の隙を突いてゴール下に飛び込み加点。攻撃時間が少ない中、田中選手からパスを受けたホーキンソン選手がファウルを受けながら3Pシュートを決めると、再び場内は歓声に包まれた。 この日はリード・トラビス選手がコンディション調整で欠場したことから、アンソニー・クレモンズ選手、ホーキンソン選手、ジョーンズ選手は出場し続けた。同Q後半には疲労感はぬぐえなかったが、残り約1分30秒でこの日初めてベンチに下がった。後を引き継いだ永吉佑也選手と阿部諒選手がインサイドで得点を挙げ、試合を締めくくった。 攻撃で場内を沸かせたが、田中選手が「ディフェンスが機能したからこそ」と言うようにi茨城のミスから23得点を挙げた。田中選手はスチールを3回記録したほか、ホーキンソン選手がシュートをブロックするなどした。「2日続けて(守備を)やり切る力が勝ち進んでいくには必要で、そこを今培っている段階。失点(の少なさ)はリーグでもトップの方にいると思うので、バイウイーク明けもプライドを持ってやるべきこと」話した。 日本代表戦活動があるためBリーグは約2週間中断となる。「バイウイーク前最後の試合を、ホームで強く勝利できて終えたことは、選手たちが休みを楽しみ次へのモチベーションを高めるためにも良いことだ」と勝利を喜んだパヴィチェヴィッチHC。開幕からの14試合を9勝5敗で終え地区3位に付けているが、「あと1・2勝はできたかもしれないが、プレシーズンなどで起こったいくつかの困難を考えれば、成長の余地はあるが基礎を作り上げることができた」と振り返る。 田中選手は「個人的にはオフェンスはあまり正直良いように行っていない感じがあり、(自分の)シュートの回数がちょっと限られているのかなと感じる。クレモンズが良い時はアタックし続けているが、それだけじゃなくて、自分や礼生がもっと攻撃する回数を増やして行けたら。3人が全てのポジションをできると思っているので、バイウイークで休みながらもちょっと考え直して良い感覚を取り戻したい」と話す。
みんなの経済新聞ネットワーク