【野村克也の本格野球論】主題「大谷翔平」
「ONもメジャーでは通用しない」と言われた、われわれの時代
エンゼルス入りを果たした大谷/写真=Getty Images
日本ハム・大谷翔平のMLB、エンゼルス入りが決まって、早や1カ月。大谷が、カネではなく自分の思う道、自分が生かされる環境を選んだのは、大正解だ。人間、カネに目がくらむと、周りが見えなくなってしまう。カネは確かにあるに越したことはないが、執着するといいことはない。 それにしても、いい時代になったものだ。私のころは日本人選手がメジャーで活躍するなど、これっぽっちも考えることはできなかった。あのON(王貞治、長嶋茂雄=ともに巨人)さえ「メジャーでは通用しないだろう」と言われていたのだ。 当時、秋の日米野球はメジャーの単独チームが来日し、十数試合ほど戦うのが常だった。オールジャパンですら、1つ勝てれば上出来。そのくらい力の差があった。技術もパワーも、何もかもわれわれより秀でていたと思う。 のちにヤクルト監督として、ユマキャンプで元メジャー・リーガーのパット・コラレスと話をする機会に恵まれた・・・
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週刊ベースボール