シナイモツゴ絶滅しないで 児童が稚魚300匹放流 宮城・大崎
宮城県大崎市鹿島台地区を拠点に活動するNPO法人「シナイモツゴ郷の会」は、絶滅危惧種の淡水魚シナイモツゴの稚魚放流会を地区のため池で開いた。地元の鹿島台小と美里町小牛田小の4年生計約90人が約300匹を放流した。 稚魚は両校を含む県内4小学校や企業、仙台うみの杜水族館(仙台市)の関係者が飼育を担った。同会から昨年6月、ふ化間近の卵を引き取り、体長約4センチまで成長させた。 児童たちは「大きくなって」「絶滅しないで」などと声をかけ、丁寧に魚を放した。鹿島台小の鎌田星衣(せい)さん(9)は「ちょっと心配だけど、次の学年が放流に来るまでに大きく育ってほしい」と話した。 会の高橋清孝理事長(72)は「里山のため池は絶滅危惧種の最後の生息場。命や自然の大切さを知ってもらい、地域ぐるみで守っていきたい」と述べた。 シナイモツゴは鹿島台北部のため池7カ所が点在する「旧品井沼ため池群」に生息している。一帯は今年3月、環境省指定の自然保護区「自然共生サイト」の認定を受けた。放流会は6月26日にあった。
河北新報