『レインコード』ファンミーティングはネタバレ満載。声優陣や小高和剛氏ら出演し「きゃっきゃっきゃ!」と笑って泣いたイベントの模様をお届け
文:ジャイアント黒田 2024年3月17日、飛行船シアターで『超探偵事件簿 レインコード』(以下、『レインコード』)のキャスト、開発陣、そしてユーザーが集うファンミーティング“~第1回超探偵集会~”が開催された。 イベントは2部制になっており、会場に詰めかけた観客の中には、昼夜どちらのファンミーティングにも参加する熱心なファンの姿も。本稿では、第1部の模様を中心にリポートする。 なお、ファンミーティングは“ネタバレあり”のイベントだったため、本稿にもゲームの重大なネタバレが満載だ。『レインコード』をクリアーしていない方は、エンディングを見てから読み進めてほしい。 また、記事の最後に『レインコード』の企画原案・メインシナリオを手掛けたトゥーキョーゲームスの小高和剛氏と、プロデューサーを担当したスパイク・チュンソフトの榊原昌平氏のショートインタビューもお届けするので、最後までお見逃しなく! ファンミーティング出演者(敬称略) 福原かつみ(ユーマ=ココヘッド役) 鈴代紗弓(死に神ちゃん役) 石川由依(ハララ=ナイトメア役) KENN(デスヒコ=サンダーボルト役) 小高和剛(企画原案・メインシナリオ) 榊原昌平(プロデューサー) 荒木美鈴(ゲーム好きアナウンサー、MC) 多くのファンがイベント会場に集結! 会場は多彩なプログラムで大盛況 14時から始まった第1部は、福原かつみさんと鈴代紗弓さんのサプライズ朗読劇から始まる、ファンにはうれしい展開。それぞれ見どころを紹介していこう。 ユーマと死に神ちゃんの出会いを再現した“サプライズ朗読劇”からオープニングへ サプライズの朗読劇の内容は、第0章のアマテラス急行の洗面所で展開されたユーマと死に神ちゃんの会話をベースに、イベント向けにアレンジが加えられたもの。ユーマ=ココヘッド役の福原さんが客席に向かって「みなさんボクに力を貸してくれますか?」と呼びかけるシーンもあり、客席から大きな拍手が上がる一幕もあった。 そしてユーマ(福原さん)の呼びかけでMCを務める荒木美鈴さんが登壇すると、福原さん、鈴代さん、荒木さんの3人でトークがスタート。ゲームの収録は基本的にひとりで行うため、福原さんと鈴代さんが掛け合いをするのは今回のサプライズ朗読劇が初めて。貴重な体験なうえに、久しぶりにキャラクターを演じたというおふたりは、お互いに「緊張した」と感想を語り合っていたが、ブランクを感じさせない堂々した演技でファンも大満足の様子だった。 福原さんと鈴代さんによるタイトルコールが終わると、石川由依さん、KENNさん、小高和剛氏、榊原昌平氏がステージへ。それぞれ簡単な挨拶を行い、トークをくり広げる中、榊原氏から「全世界でのセールスが30万本を突破しました」と発表されると、会場からはひときわ大きな拍手が起こっていた。 “世界探偵機構 お問い合わせフォーム”でファンたちのお便りを公開 最初のコーナーは、今回のイベントに関するお便りを紹介する“世界探偵機構 お問い合わせフォーム”。愛に溢れたメッセージがつぎつぎと公開され、キャストや開発陣がトークをくり広げていった。 とくに反響の大きかった第0章で、多くの超探偵が死亡して驚いたという話題では、小高氏がプッチー=ラヴミンを演じた堀江由衣さんに関するエピソードを披露。堀江さんは探偵役を演じるのを楽しみにしていたとのこと。本作で念願が叶って超探偵のひとり、プッチーを演じることになるも、彼女はすぐに死んでしまう……。 収録のとき、堀江さんに「(プッチーは)死ぬんですね?」と聞かれた小高氏は、「いや~、まだ確定したわけじゃないですけどね」とウヤムヤにしたと明かし、会場の笑いを誘っていた。 収録にまつわるエピソードでは、キャスト陣がキャラクターを演じるうえで注意した点などが明かされた。セリフの量がとくに多いキャラクターを演じた福原さんと鈴代さんは、苦労したものの楽しい収録だったと回顧。デスヒコ=サンダーボルト役のKENNさんは、「振り幅広く演じることができました」と振り返った。 また、性別不明のハララを演じた石川さんは、「いちばん最初に、(男性・女性の)どのくらいの声質でいくのか、スタッフさんと細かく確認しました」とコメント。この発言を受けて小高氏は、「石川さんの声は気品があるので、この特徴をうまく活かせば中性的なキャラクターになると思いました。中性的なイメージを壊さないように、セリフが男性っぽくならないように気をつけましたね」と教えてくれた。 『レインコード』の続編やスピンオフなどを求めるお便りが多かったことから、榊原氏は「『レインコード』を大きくしていきたいので、続編やテレビアニメはやりたいと思っています」と回答。ここでも大きな拍手が巻き起こり、多くのファンが今後の展開に期待していることが伺えた。 超探偵の記憶の断片を集めてキャラクターの性格や特徴を再確認! 続いては、“超探偵の記憶の断片を集めよう!”のコーナーがスタート。このコーナーではファンから寄せられたコメントをもとに、ゲーム内の名場面を振りながら登場人物たちの性格や特徴が改めて確認されていった。 ピックアップされたのは、第1章でハララが豪快な蹴り技を披露するシーンや、第2章でユーマが女装するシーン、第5章でカナイ区名物の肉まんの具材が明らかになるシーン、第2章でデスヒコが死に神ちゃんにフラれるシーンの4つ。いずれも印象に残っているファンが多かったようで、該当シーンに関連した動画が流れるたびに会場が盛り上がっていた。 ユーマの女装姿はかわいいと評判だが、小高氏よると初期の立ち絵のデザインはもっとコミカルに寄せていてケバかったという。続けて「でも実機で組み上がったものを見て小松崎(トゥーキョーゲームス所属のイラストレーターである小松崎類氏)が、「もっとかわいくしよう」と提案し、いまの姿になりました」と紹介した。全国の女装ユーマファンの皆様、かわいいユーマと出会えたのは小松崎氏のおかげでした! さらに、このコーナーでデスヒコのナンパの成功率も明らかに。小高氏によると大方の予想通り(?)、「ゼロ%」とのこと。「おそらく成功したことはないんだろうなあ」と思っていたのは筆者だけではないはず! 原作再現&アレンジされた朗読劇“カナイ区でのひとコマ” 朗読劇の準備のためにキャストが一時的に退場した後、イベントグッズレポートのコーナーで当日販売されたグッズが紹介された。イベントに参加できず、グッズを買い逃したという方もご安心を。エビテン内のスパイク・チュンソフトストアなどで購入できるので、興味のある人はぜひチェックしてほしい。 イベントグッズレポートに続いて行われた朗読劇“カナイ区でのひとコマ”では、ふたつのシーンが演じられた。ひとつ目は、第1章"連続密室殺人鬼クギ男”の調査パート。秘密クラブの調査を行う際、ユーマの“能力共有”でハララの探偵特殊能力の“過去視”を初めて利用するシーンが、福原さん、鈴代さん、石川さんの生の演技で再現された。 ふたつ目は、第2章"暗黒少女の沈黙”のエンディング。事件解決後、クルミに教えてもらったホムンクルスの情報をヤコウ探偵事務所で共有しているシーンで、こちらはユーマ、死に神ちゃん、ハララ、デスヒコの4人によるアレンジバージョンとなっていた。 客席は静まり返り、観客たちはキャスト陣の巧みな演技に見入っていた様子だが、ヤコウ=フーリオのシーンは別。オリジナルバージョンに登場しているヤコウは、ゲーム内の音声を使って登場したのだが、子安武人さん演じるヤコウのコミカルな演技に、会場は笑いに包まれた。 キャスト陣が観客の心を読み解く“カナイ区 区民一斉調査” 感動の朗読劇が終わると、観客が参加する“カナイ区 区民一斉調査”がスタートした。このコーナーは、カナイ区の区民に扮した観客に3択を出題。観客に、3択の中で自分が思う選択肢を拍手で回答してもらい、キャスト陣に3択の中でいちばん支持が多い回答を予想してもらうというものだ。第1部では下記の3択が出題された。 第1問:実際に使ってみたい探偵特殊能力はつぎのうちどれ? 過去視 変装 時戻し 第2問:上司にしたい探偵はつぎのうち誰? ヤコウ ハララ 記憶喪失前のユーマ 第3問:働くならどの組織がいい? 世界探偵機構 アマテラス社 レジスタンス 最終問題:死に神ちゃんに言ってもらいたいセリフは? きゃっきゃっきゃ! いざ、迷宮入りーーーー!! ダークネスシャイニングファビュラスレインボービューティフル マックススクリューラブリーフレッシュグランドフィナーレ!! 池に上半身が突き刺さって死ねばいいのに キャスト陣が悩みながら予想をする中、第1問は時戻し、第2問はヤコウ、第3問は世界探偵機構がもっとも支持を得る結果に。そして最終問題は、支持されたセリフを鈴代さんが生で披露してくれるだけに、おそらく多くの観客が頭を悩ませたであろう難問だ。鈴代さん本人は(1)を選んだが、観客の圧倒的な支持を得て(2)に決定。 鈴代さんは元気いっぱいに「ダークネスシャイニングファビュラスレインボービューティフルマックススクリューラブリーフレッシュグランドフィナーレ!!」と言い切り、会場は大盛りあがり。福原さんは「(セリフが長いのに)一息でいくとは思わなかった」と驚いていた。 なお、いちばん支持が多い回答をたくさん予想し、カナイ区区民(観客)の心を理解していた鈴代さんには、イベント特製図書カードが贈呈された。 カルトクイズを楽しみ、エンディングへ つぎの“レインコードカルトクイズ”も観客が参加できるコーナー。観客に『レインコード』に関するマルバツクイズを出題し、すべての問題を終えた時点で最後まで残った方に特製スタッフパスがプレゼントされた。 カルトクイズと題されただけあってクイズは難問ぞろい。「第1章でハララが持っていた写真に写っている猫の目の色は“青”である」や、「第2章で最初の事件に使われたワインのボトルに書かれた文字は“WINE”である」、「プッチーの私物のクマのぬいぐるみの色は“白”である」など、観客たちの観察力や推理力が試される問題がつぎつぎに登場。正解者はどんどん減っていき、7問目を正解して残った観客が特製スタッフパスを手にした。 “レインコードカルトクイズ”が終わると、イベントはいよいよフィナーレ。出演した福原さん、鈴代さん、石川さん、KENNさん、小高氏、榊原氏からイベントの感想やファンへの感謝の言葉が贈られ第1部のイベントは幕を閉じた。 第2部は2024年3月24日23時59分までアーカイブで有料配信中! イベントの第2部は19時からスタート。同じコーナーであっても、取り上げたトピックや朗読劇を行うシーンが第1部とは異なる構成になっており、どちらのイベントに参加したファンも満足していた様子だ。 第2部は2024年3月24日20時59分まで配信視聴チケットが販売されており(3850円[税込])、3月24日23時59分まで視聴可能。とくに必見なのは、朗読劇“カナイ区でのひとコマ”のアレンジバージョン。死に神ちゃんやハララのキュートな一面が鈴代さん、石川さんの生の演技で堪能できるので、ふたりのファンは一見の価値ありだ。 また、最後のサプライズ朗読劇も、『レインコード』をクリアーしたファンならグッとくるはず。こちらもぜひご期待ください! イベントの感想を小高氏と榊原氏に直撃! 第1部と第2部のイベントの合間に、小高氏と榊原氏にインタビューする機会をいただいたので、とくに気になる続編やアニメ化についても改めてうかがった。 ――第1部のイベントの感想を教えてください。 小高 ファンの方と触れ合えるイベントは久しぶりでしたし、『レインコード』では始めての体験でした。どれだけ来てくれるのか、ちょっと心配ではありましたが、会場の反応を見ると楽しんでもらえているようでよかったです。 榊原 第1部は満席でしたし、盛り上がってホッとしました。 ――朗読劇のような掛け合いは今回が初めてとのことでしたが、小高さんたちも新鮮でしたか? 小高 そうですね。みんながそろった状態でセリフを聴くと、また違った感じに聴こえるので。これはやっぱり、アニメ化するしかないな(笑)。 一同 (笑)。 小高 アニメ化できれば、また違った掛け合いができると思います。 ――新鮮な気持ちで楽しめそうですよね。榊原さんはいかがでしたか? 榊原 掛け合いになると、こんなに盛り上がるんだと感動しました。ライブ感もあって、聞き慣れたシーンでも印象が違うなと感じましたね。 ――“カナイ区 区民一斉調査”では、3択の回答があまり偏っていなかったのも印象的でした。作品が全体的に愛されているんだなと。 小高 いろいろなキャラクターたちに愛情を持ってほしかったので、狙っていたとはいえ、ある程度まんべんなくファンがいてくれたのはよかったですね。第0章で死んでしまうキャラクターたちにもファンがたくさんいて。ぜひ死んだキャラクターが登場する前日譚を書いてくださいと言われました。 ――続編やアニメ化を望むファンの声は多いですし、小高さんから「アニメ化するしかない」との発言も飛び出しましたが、続報に期待しても……。 榊原 正式に言えることは何もないのですが、今回のイベントも多くのファンが集まってくれましたし、反響もたくさん届いています。続編含めてアニメ化もやっていきたいなとは思っています。 小高 遊んでくれた方からは、『レインコード』はアニメ化すると広がりそうな作品とはよく言われますね。アニメが好きなライトな層も狙ってはいたので、親和性はあるかなと考えていますが、アニメ化するなら大きく変えなきゃいけないよなって。 ――続編やアニメ化の続報、楽しみにしています! 小高さんは、サウンドトラックCDを購入された方にサインをしていましたが、ファンからはどういったコメントや感想が多かったですか? 小高 サウンドトラックCDを購入してくれたのは、『ダンガンロンパ』シリーズから応援してくれている方が多いのですが、『レインコード』から遊び始めて、いま『ダンガンロンパ』シリーズをプレイしていますという方もいてうれしいですね。 榊原 『ダンガンロンパ』シリーズは、Nintendo Switch向けに移植版をリリースしました。『レインコード』を発売した後、『ダンガンロンパ』シリーズの販売本数も増えています。お互いの相乗効果で、今後も盛り上げていけるといいなと思います。
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