氷見、陥没道路にヒマワリ 液状化の幸町 冠水、猛暑に耐え開花 住民「元気もらえる」
能登半島地震による液状化現象に見舞われた氷見市幸町の住宅街で、市道の陥没箇所からヒマワリが咲いた。6月の大雨による冠水、夏の猛暑にも耐えて花を咲かせており「元気をもらえる」と住民に笑顔が広がっている。 ヒマワリはマンホールそばの陥没箇所から茎を高さ1~1・5メートルほど伸ばし、3株から直径約10センチの花が13輪咲いている。住民によると、車の通行などに支障はないという。 周辺では地震直後、液状化で砂泥(さでい)が路面に吹き出し、住民が除去に追われた。道路の隆起や地盤沈下が発生し、ヒマワリが咲いたマンホール近くは当時、長さ約100センチ、幅約70センチにわたって陥没した。住民がマンホール横の陥没箇所の安全を確保するため、吹き出した砂泥を入れたところ、5月にヒマワリの芽が出てきた。 ●住民が水やり 近所に住む舛山久恵さん(57)は「自宅の庭で栽培しているヒマワリの種が側溝に入り、たまたま陥没場所を埋める泥に混じったかもしれない」と話し、近くの住民が毎日水やりをしていたことに感謝する。 周辺では市道の側溝が地震で破損し、排水能力が低下した。6月の大雨時は道路が冠水し、床下浸水の被害に遭った民家もあり、ヒマワリも水に漬かった。 ヒマワリの成長を見届けてきた宇波幸子さん(82)は「地震で体も心もつらい思いをした。ヒマワリの力強さに元気をもらっており、自分も頑張っていきたい」と話した。