尊富士に続き大の里Vなら番付の意味がなくなる 番付の崩壊は許されない…元大関・琴風の目
◆大相撲 ▽夏場所13日目(24日、東京・両国国技館) 新小結・大の里が3敗とトップの座を堅持した。西前頭4枚目・宇良に押し出しで快勝し、10勝目。阿武咲以来となる史上2人目の新入幕からの3場所連続2ケタ白星の快挙を達成するとともに、大関取りの起点とした。大関・琴桜は東前頭10枚目・湘南乃海との3敗対決を制し、こちらも首位を守った。1差の4敗で大関・豊昇龍、関脇・阿炎、平幕の大栄翔、湘南乃海に新入幕の欧勝馬を加えた5人が追う展開となった。 【夏場所】番付&星取表 琴桜と大の里。残り2日の対戦相手を考えると琴桜の方が分が悪い。阿炎はともかく、千秋楽での対戦が予想される同じ大関の豊昇龍は難敵だ。だが、足踏みしていたら綱は狙えない。厳しい相手だからこそ思い切っていけるはず。逆に気合が入っていいのでは。 佐渡ケ嶽部屋出身の身として忖度(そんたく)するわけではないが、琴桜には優勝しなくてはいけない責任がある。横綱不在で番付は最高位。先場所は新入幕の尊富士に優勝をさらわれ、今場所も小結の大の里に賜杯を渡していたら番付の意味がなくなってしまう。私たちは番付を生きがいに相撲人生を送ってきた。番付の崩壊は許されないのだ。 足取りを警戒しながら、宇良を圧倒した大の里が取りこぼす景色は見えない。ならば琴桜は優勝決定戦まで3連勝するしかない。それが番付の力というものだ。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)
報知新聞社