早起き熊ご用心 福島県全域に出没注意報 3月目撃、5年間で最多 暖冬など影響か動き活発
■「被害食い止めたい」 市町村や県対策に力 地域住民を熊被害から守るため、市町村や県は対策に力を入れる。県内59市町村で昨年の年間目撃件数が最も多かった会津若松市は今年度、熊対策に当たる専門員を新たに2人配置。市鳥獣被害対策実施隊を過去最多の63人で組織するなど警戒を強めている。捕獲隊長の小沼清一さん(74)は「市と協力し、人的被害を何としても食い止めたい」と気を引き締める。 吾妻山麓での目撃が多い福島市は熊が餌を求めて人里に下りるのを防ぐため、営農せずに放置されている果樹や栗、柿の木の見回りや伐採などを進めている。 県内では、阿武隈川より東側に熊はいないといわれてきたが、いわき市には昨年度、熊の可能性が高い目撃情報が寄せられた。市は熊の活動範囲が市の一部に入り込んでいる恐れがあるとみて、防災メールなどでの周知を強化している。 熊の指定管理鳥獣への指定を受け、自治体が捕獲や調査などに国の交付金を受けるには実施計画を策定する必要がある。県内には4425~7116頭(平均値5576頭)のツキノワグマが生息していると推定され、県は生態系保護の観点も考慮しながら計画策定の必要性を検討する方針。
【熊から身を守るためのポイント】 ❶単独での入山は避ける ❷鈴やラジオで音を出す ❸熊のふんや足跡を見つけたら引き返す ❹遠くに熊を発見したら慌てず立ち去る ❺近距離で遭遇したら目を離さず、背中を見せず、後ずさり。走って逃げない (県警本部地域企画課)