南米強豪アルゼンチンを5-2で撃破したU-22代表は本当に強いのか…来年4月にパリ五輪のアジア最終予選
来夏のパリ五輪でメダル獲得を目指すサッカーのU-22日本代表が18日、静岡・IAIスタジアム日本平で行われたU-22アルゼンチン代表との国際親善試合で5-2と快勝した。後半開始早々に逆転されたが、同21分からMF鈴木唯人(22、ブレンビー)らが怒涛の4連続ゴールを決めて、日本国内での初陣で南米の強豪に打ち勝った。昨年3月から海外遠征で強化を図ってきたチームは、本当に強いのか? 来年4月には五輪のアジア最終予選に臨む。 【問題画像】「失敗作だ」「過去最悪」2026年北中米W杯の異色公式ロゴに賛否
「アルゼンチンと比べると自分たちが劣っている部分が多かった」
ヒーローの第一声は、意外な響きを伴っていた。 「自分自身としては、あまりしっくりしてないんですけど……」 後半21分に同点弾を、同30分には逆転弾をともに利き足とは逆の左足でゲット。チームを波に乗せ、36分にMF松村優太(22、鹿島アントラーズ)が、43分にはFW福田師王(19、ボルシアMG)がゴールする流れを作った鈴木は納得していなかった。 試合会場のIAIスタジアム日本平をホームとする清水エスパルス出身で、今夏からデンマークでプレーする背番号10は、勝って兜の緒を締める、とばかりにこう続けた。 「チームとして勝てたことはよかったですけど、アルゼンチンの選手たちと比べると、自分たちが劣っている部分がまだまだ多かった。個人的にも得点できたのはよかったけど、少なからずミスもあったし、もうちょっとできたとも思っている。個人的な部分で一人ひとりがまだまだ成長していかなきゃいけないと、いまは思っています」 最も修正が必要だと思っているのが、後半開始以降の約20分間だ。 前半を1-1で折り返したなかで、一転してアルゼンチンが主導権を握る。チームが生命線として掲げてきた、前線からのプレスがまったくはまらない。後手に回る場面が一気に増え、消極的な姿勢も目立ち始める。迎えた5分。DFバングーナガンデ佳史扶(22、FC東京)のファウルで与えた直接FKを完璧な形で決められた。 ゲームキャプテンを務めるボランチの藤田譲瑠チマ(21、シントトロイデン)が、佳史扶を含めたチームメイトたちを大きな声で鼓舞する場面が何度も見られた。 「佳史扶だけじゃなくて自分も含めてですけど、あの時間帯はちょっとボールを欲しがらないというか、ボールを大事にしない単純なミスが増えていた。なので『チームとしてもう一度、自信を持ってボールを受けよう』と話していました」 劣勢のなかでチーム全体のメンタル面を立て直し、必死に前を向かせたのが藤田ならば、特別な背番号を託された者として一発を狙っていたのが鈴木だった。 「後半が始まってからは、いままで経験したことがないくらいに流れがよくないと感じていた。失点もしたなかで、何とか自分のワンプレーで流れを取り戻せたらと、あの時間帯はずっと考えていた。結果として得点できて、多少は変わったのかなと」 右サイドバックの半田陸(21、ガンバ大阪)から敵陣の中央で横パスを受けた後半21分。すかさず前を向いた鈴木はペナルティーエリアの外から迷わずに左足を振り抜き、コントロールされた低く、鋭い弾道をゴール右隅へ突き刺した。
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