具志川商、初の甲子園で縦横無尽 見抜いていた癖 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第3日の22日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、ともに21世紀枠で初出場の具志川商(沖縄)が八戸西(青森)を8―3で降し、甲子園初勝利を挙げた。 【21世紀枠同士の対決を振り返る】 21世紀枠で選出されて沖縄からやってきた具志川商。5年前には部員不足で他の運動部から人を借りて大会に出場したこともある公立校ナインが、初めての大舞台で、自由自在に駆け巡った。 二回1死一塁。具志川商の7番・知名椋へのベンチからのサインは「ヒットエンドラン」。するとスタートを切った一塁走者・比嘉につられて、八戸西の遊撃手・相前は二塁のカバーに入る。「ショートが(カバーに)動くと思った。そこを狙った」と知名椋。がら空きになった三遊間を破る安打となり、一、三塁と好機を広げた。 さらに知名椋は次打者・上原の5球目に二盗。「(相手投手は)ボールを長く持ったらけん制はない」といった、事前の分析が実った。二、三塁とし、上原の中前打で2点を先取。さらに伊波勢の中前打で果敢に三進を狙った上原が中堅手の三塁悪送球を誘い、一気にホームイン。三進した伊波勢も次打者の遊ゴロで好スタートを切り、前進守備をかいくぐって生還した。この回の4点はすべて果敢な走塁がもたらした。 無名に近い公立校が甲子園で戦うため、喜舎場監督が磨いたのが機動力だ。「ホームランや連打が出る確率は低い」と見て、練習試合では無謀な走塁でも許し、場数を踏ませてきた。「OBとして校歌が聞けて感慨深い。素晴らしい歌声だった」と喜舎場監督。目標は同じ沖縄の宜野座が刻んだ、21世紀枠最高成績の4強を超えること。まずは足早に、第一歩を踏み出した。【高橋秀明】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。