【ラグビー・3地域社会人リーグ順位決定戦】セコム、1回戦突破。リーグワン参入へ、選手たちの意識高まる
開始1分、LOフェトゥカモカモ・ダグラスがゴールポストの横にトライ。SO菅原海人がコンバージョンキックを決め、早々に7点を先行した。 12月24日、埼玉・狭山市のセコムラグビーフィールドでおこなわれた3地域社会人リーグ順位決定戦1回戦で、トップイーストAグループ2位のセコムラガッツが快勝した。 トップキュウシュウ2位の日本製鉄九州製鉄所八幡ラグビー部に38-14のスコアで勝った。 リーグワン入りを目指し、2023-24シーズンから強化を本格化した。 外国出身選手と積極的に契約。社員選手たちの練習環境も以前より整えられた。 しかし、全5チームがホーム&アウェーの総当たりで戦うレギュラーシーズンは、ヤクルトに2敗、東京ガスに1敗。なんとか2位に入った形だ。 負けたら終わりの3地域社会人リーグ順位決定戦には、マストウィンの気持ちで臨んだ。 立ち上がりの先制点は、集中力高く試合に入った結果だった。 7分にもPR佐藤俊輝のトライ、SO菅原のGで7点を追加したセコム。しかし、楽な試合ではなかった。 元コカ・コーラのSO今泉仁、元サニックスのHO隈本浩太、LO西井利宏、FL鶴岡怜志を擁する相手は、積極的に攻めてきた。 前半14分にトライ(LO西井)、Gを返されて14-7と迫られる。 24-7として前半を終えるも、後半10分にもトライを許し(FL鶴岡)、24-14とされた。 残り20分を切ってから2トライを追加して、最終的には38-14と引き離した。 しかし次戦、フィジカルの強い大阪府警察(トップウェスト1位)に勝ち、決勝でも勝って1位となるには課題も多く見つかった。
試合後、FL飯田光紀主将は、「相手に飲まれる時間もあったし、(チャンスに)取り切れないところもあった」と80分を振り返った。 いつもと違うメンバー構成で臨んだ試合だったが、「チーム全体でもっと意識を高めないといけない」と話した。 飯田主将は今季入社2年目ながら、チームの先頭に立っている。日大時代も主将を務めていた。 選手の代表として、会社のバックアップが高まったことについて、「責任は増しました。ただ、プレッシャーと言うよりラグビーを楽しめています。その気持ちがあれば結果もついてくると思っています」と話した。 学生時代に主将を務めたときとの違いを、「社会人は年上のみなさんがサポートしてくれるし、一人ひとりが確立されているのでやりやすい」と話す。 「リーグワンに上がる、という目標でも全員がまとまれていると思います」 日川高校時代は、現在、浦安D-Rocksで主将を務めるSH飯沼蓮が主将で、自分が副将だった。 「蓮と同じ舞台で戦えるようになれたら。それを目標にしています」と、自身の中にある高い志についても口にした。 この日9番を背負い、後半31分までチームをリードした高橋香成(かなる)も上を見てプレーしていた。 持ち前のスピードあるプレーに加え、この日はハードタックルを連発。チームにモメンタムを与えた。 レギュラーシーズン、先輩の髙島理久也が全試合で9番を背負った。 その牙城を崩したい。 「試合に出るための強みを持ちたい。そこをタックル、と思ってプレーしています」と決意を語る。 リーグワンへの参入は、ホストスタジアムの設定など、超えなければいけないハードルが残されている。 選手たちはピッチでのパフォーマンスに集中し、競技面では最高のものを手に入れて朗報を待ちたい。