「心身に巣食う闇」を追い払うメンタル安定法 「死病」という絶望から立ち直った哲人の教え
稲盛和夫さんや松下幸之助さん、大谷翔平選手にいたるまで、数々の人に影響を与えてきた昭和時代の哲人・中村天風。その壮絶な半生から得た教えは、私たちに「自分の心を守る」ことの大切さを教えてくれます。自分の考えをゆるがす情報にあふれる今、どのように自分自身を労り、メンタルを整えていけばよいのか。彼の教えを現代にもわかりやすく掲載した『またうっかり、自分を後回しにするところだった』より一部引用・再編集してご紹介します。 【画像】障害者手帳をやっと手にした44歳男性の紆余曲折
■他人を羨ましがる前に目を向けるべきこと 今の時代、私たちは場所や時間に縛られず仕事をし、情報を得ることができます。 しかし、自分の心を健康に保って働くことができるかということは、それとはまた別問題。 便利になったことにより、無理をしすぎてしまうケースもあります。 現に、いま日本では15人に1人がうつ病を経験するといわれています。 また、うつ病などの精神疾患で休職した教員数は、15年前と比べて約3倍にもなっているというデータもあります。
30歳のとき、当時「死病」といわれた奔馬性肺結核を発症した中村天風は、教えを求めて世界中を訪ね歩きました。なかなか解決策を得られず、失意の中でたどり着いたインドの山奥で「自分を大切にすること」の本質を掴んでいきます。 それから病を克服し、90歳を超えるまで、多くの人に「いかに自分の心をきれいに保つことが大切か」ということを説きました。 そんな中村天風の言葉から、今を生きるビジネスパーソンにぜひ心に留めておいていただきたい言葉をピックアップしてお届けします。
“窓をあければ明るい座敷を、 窓をしめていてはもったいないじゃないか” まずこちらは、彼の価値観がよくわかる言葉です。 あなたの幸福度合いを示す定義や指標。幸福と不幸を分かつ基準。そういったものは、本来、この世にいっさい存在しません。 いくら稼いだ、何歳で昇進した。SNSのフォロワー数が何人になった。その数字は関係なく、幸福か否かは、すべて主観で決まるということです。 “現在の自分の生きてる命に喜びをできるだけ多く味わわせる、そこに真の生きがいがある”