老人ホームに入居中の父の【確定申告】を任されています。医療費控除の対象になるもの・ならないものを教えてください【FP回答】
2月16日から3月15日までに行う確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得金額と所得税などを計算し、源泉徴収された税金などとの過不足分を精算する手続きです。 【一覧表】医療費控除の対象となる介護施設で受ける介護保険サービスとは(出所:国税庁) 今回の相談者であるシロウさん(仮名・53歳)のお父様は、昨年から要介護になり特別養護老人ホームに入居されました。 お父様は、年金をもらっていますがそれ以外に不動産所得もあるため、毎年、確定申告が必要です。 シロウさんは、お父様の確定申告を任されており、書類準備中。そこで、医療費控除を受けるため「対象になるもの・ならないもの」を知りたいそうです。 まずは、医療費控除とはどのような制度なのかを知ってから、医療費控除の対象になるもの・ならないものを確認しましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
医療費控除を知っておこう!
医療費控除とは、1月1日~12月31日までの1年間に支払った医療費が一定額を超えた際、確定申告で所得金額から医療費控除額を差し引くことで税金が安くなる制度です。 医療費控除の対象となる費用は、納税者本人だけでなく、生計を一にしている家族の病気・ケガなどのために支払った治療費も含めることができます。 医療費控除の計算式は以下のとおりです。 ●【医療費控除の金額】 1.所得が200万円以上の場合 ・「1年間に支払った医療費の合計額」-「保険金・給付金からの補てん金額」-10万円 2.所得200万円未満の場合 ・「1年間に支払った医療費の合計額」-「保険金・給付金からの補てん金額」-所得額の5% なお、医療費控除の限度額は200万円と定められています。
医療費控除の対象となる費用とは
医療費控除の対象になるものは、一般的に病気・怪我などのために支払った治療費ですが、それ以外にも通院のための交通費、入院中の食事代なども含まれます。 今回は、シロウさんの例のように、特別養護老人ホームに入居しているお父様の場合、対象となる医療費控除にどのようなものがあるのか確認していきましょう。 ●【一覧表付き】医療費控除の対象となる「老人ホームで受ける介護保険サービス」とは 要介護者が老人ホームで受ける介護保険サービスなどで、医療費控除の対象になるものは以下のとおりです。 なお、これらの施設が発行する領収証では、基本的に医療費控除の対象となる金額が記載されることになっています。 (1) 指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、指定地域密着型介護老人福祉施設 ・施設サービス(介護費、食費および居住費)分として支払った金額の2分の1 (2) 介護老人保健施設 ・施設サービス(介護保険サービス費、食費および居住費)分として支払った金額 (3) 指定介護療養型医療施設(療養型病床群等) ・施設サービス(介護保険サービス費、食費および居住費)分として支払った金額 ※介護療養型医療施設は、2023年度末での廃止が決定しています。 (4) 介護医療院 ・施設サービス(介護保険サービス費、食費および居住費)分として支払った金額 ●その他で医療費控除の対象となるもの 上記に紹介した以外でも「おむつ代」が、医療費控除の対象になる場合があります。 おむつ代を医療費控除の対象にするには、担当医師に「おむつ使用証明書」を発行してもらう必要があります。「おむつ使用証明書」が発行される目安は、傷病によりおおむね6カ月以上にわたり寝たきりとなったときです。