慶応ボーイの”二刀流ハードラー”豊田兼、110m障害で準決へ 日本人初の障害2種目での五輪代表を狙う
◇29日 陸上 日本選手権第3日(新潟・デンカビッグスワンスタジアム) パリ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、前日に男子400メートル障害代表に内定した豊田兼(21)=慶大4年=が110メートル障害予選に出場。4組トップの13秒52で準決勝に駒を進めた。 28日の400メートル障害決勝を自己ベストの47秒99で制して優勝し、同種目での五輪代表内定を決めた。47秒台は為末大らに次ぐ日本人3人目の好時計。前半から飛ばす攻めの走りが実を結んだ。 400メートル障害とともに両立してきた110メートル障害だが、挑戦者という位置付け。この日は序盤からスピードに乗って、そのまま押し切った。予選で110メートルの感覚を取り戻しつつ、決勝に向けて徐々にギアを上げていくプランで、準決勝以降は参加標準記録(13秒27)を狙っていく。 障害2種目で五輪に出場すれば、日本人としては初めて。「新しいロールモデルのようなものを目指して両立したい」と話していた”二刀流ハードラー”が前人未到の領域に一歩、踏み出した。 ◆パリ五輪への道 各種目の出場枠は最大3。2023年7月1日から24年6月30日までに参加標準記録を突破した選手は、日本選手権優勝で代表に即時内定する。標準未突破や日本選手権2位以下でも、今大会の成績や6月末時点の世界ランキング次第で代表に決まる。
中日スポーツ