企業トップに聞いた「今年の賃上げ」サントリーHD・新浪剛史社長
日テレNEWS NNN
約30年ぶりの賃上げ率となった昨年に続き、今年も賃金上昇への期待が高まる経済界。春の労使交渉(=春闘)が始まるのを前に、サントリーホールディングス・新浪剛史社長に賃上げの見通しなどについて聞きました。
■賃上げの重要性は?
「いわゆる消費者物価が上がった分は必ず賃金が上がるんだっていうのは、実は欧米においては社会的通念なんです。日本においては今までそういうことがなかったんで、むしろ、下げないけど今を維持するということが社会的な通念だったわけです」 「しかし今後はそうじゃなくて、間違いなく今後とも続いていくのは、人手不足。が故に、物価も今年度は2.8%(上昇)と、日銀が言ってるわけで、その次の年もそうだと。少なくとも3%前後も上がってくのが前提で、そうであれば、それを上回る賃金を企業としては提供していくんだと。こういったことをしていかなくてはいけない。そして、それに基づいて企業経営をしていくんだと、そうした意味では、もう自動的にそれ(賃金)は上がっていくんだということを社会通念にしていかなくてはいけない。こういう趣旨で話をしたわけです」 「経済同友会としても、基本的にこういうノルムを作っていくことが大切で、そして生産性を上げていくという。今までは生産性が上がって賃金が上がる。そうじゃなくて、CPI(消費者物価指数)が上がるんだから賃金が上がるのが当たり前だと。それ以上に生産性を上げて、収益を上げて、一緒に働く人たちと企業が共有していこう、こういうことです」 「人材に対する投資ができない企業は退出するってことに(今後)なってるでしょうね。ですからそれが新陳代謝を生み、人にとってはいいことなんですよね。賃金が上がり、人に対して投資をしてくれる、そういった会社にいこうじゃないかと。ですからこれは人材の流動化にも繋がってくる、そういう話になります」 「企業にとっては、いい人材を獲得したいんで。やっぱりそういうことをやれる企業が生き残ってくる。また、そういう企業が人材をもっと広く集めることができる、こういうことだと思います」