英語独習は「読む力」から鍛えたほうがうまくいく 日本人が英語を話せないのは読解偏重のせいではない
ネット上に英語の小説なんてあるのか、と思われるかもしれませんが、たとえば、Project Gutenberg:Free eBooksというサイトでは、日本の「青空文庫」のように版権の切れた作品を多数公開しており、短編から長編まで数多くの著名な作品を無料で読むことができます。 英語(あるいは他のどの外国語でも)では、抽象度の高い評論文や専門書よりもカジュアルな文章の方が手強く感じられるということがよく指摘されます。これは特に不思議なことではありません。日常的な風景を具体的に描写したものの中にこそ、その言語特有の表現が頻出するからです。
何気ない英語の表現の仕方に意味を見出し、それを楽しむことができるようになるためには、こういった英語らしい言い回しや表現を知り、それらに敏感になることが1つのカギになります。 文学作品には、まさにそのタイプの表現があふれているため、中級レベルの人が一歩先を目指して訓練する際の素材としてうってつけなのです。もちろん、その分、難しさもありますが、少し苦戦したとしても、ストーリーや作品自体に関する背景知識の助けを借りながら読み進めることができるでしょう。
■結局、英語学習は楽しくないと続かない リーディング教材として英語圏の文学作品を選ぶ大きなメリットとして、「飽きずにできる」というところがあります。たとえば、次の文章を読んでみてください。『足長おじさん』の原典Daddy-Long-Legsからの抜粋で、これも先ほど紹介したProject Gutenberg:Free eBooksで読むことができます。 Before I thought,I started to tell the others what an experience I was having.The cat was almost out of the bag when I grabbed it by its tail and pulled it back.